くるすぺ

プジョー新型308に先行試乗した感想 【上質感が格段にアップ!?】

どうも、くるすぺです。

先日、新型308に先行試乗させていただく機会がありまして、その感想を簡単にまとめました。

試乗した308はGT BlueHDiということで1.5Lディーゼルエンジンを搭載する上級グレードのものとなります。
ただ、正式に日本仕様のものではないらしく、欧州仕様の右ハンドル車がベースになったもののようで、現在は広報車として使用されているようです。

そのため、いつもの採点評価は今回は行わず、正式な日本仕様車に乗れたタイミングで行うつもりです。

また、試乗車の写真はアップNG(理由はよく分からないですが)ということだったので、新たな写真のご用意はありません。(本記事に載せている写真は別途FTP2022福井で展示されていた車両です。)

プジョー新型308に先行試乗した感想

乗ってきて感じたことを、素直に!正直に!お伝えしていきます。

想像以上にマイルドな乗り心地

乗り心地という観点では、Cセグメントクラスの中では群を抜いているかもしれません。

先代と同じくリアサスペンションにはトーションビーム式を採用しているわけですが、このトーションの味付けは本当に素晴らしく、PSAにしかできない離れ業だと思います。

先代308の乗り心地も悪い印象は全くなく良い方だと思うのですが、新型308の乗り心地は先代と比べて1ランク上がった印象。私の愛車508SWに近い乗り味とも感じました。

EMP2がVer.3となり剛性がさらに上がっていること、そして1850mmのワイドボディを手にし、全高も低くなったことにより、どっしりとした安定感がかなり増している感じがあります。

剛性感で言えば508SWを上回っている印象で、この剛性があるからこそ柔らかい脚を採用できたんだろうなと思います。DS3 CROSSBACKに乗った時とよく似た感想を抱きました。

そして、音の処理という部分がさらに素晴らしいのです。

静粛性が高すぎる

まず、フロントドアを閉めた時の静けさがいい車感を醸し出します。
他のプジョー車と比べてもドアがかなり重たい感覚があり、閉めたときに「バタン」ではなく、「ボスっ」という気持ちいい音を立てて閉まるんです。国産車で言うとスバル車のドアを閉めた時の感覚に似てるかもしれません。

走り出しても静粛性の高さはしっかり維持されています。タイヤはパイロットスポーツ3を履いていたのですが、そんなタイヤ履いてるのを忘れてしまうくらいのロードノイズの少なさがありました。

窓から入ってくる音もかなり遮断できていて、停止したときの静けさが本当にすごい。

そして、タイヤ、サスペンション周りから発生する音がかなり抑えられている点が個人的に最も評価したいポイントです。正直、508SWよりもリアから入ってくる音の処理は優秀な印象で、この音の入りの少なさが乗り心地の良さを増幅させています。

内装周りの軋み感が全く出てなかったのも素晴らしいです。多分、EMP Ver.3が想像以上にすごいんだと思います。

1.5Lディーゼルエンジンとの相性

308には、1.2Lガソリン、1.5Lディーゼル、1.6L PHEVの3種類のパワートレインが用意されていて、試乗したのは最も売れ筋になるであろう1.5Lディーゼルエンジンです。

先代308でも体験させていただいていて、個人的に神エンジンと言ってしまいたくなるほどお気に入りのエンジンです。

やはり1.5ディーゼルの出来は素晴らしく気持ちが良いエンジンフィールを味わえました。

先代308と変わった点で言うと、音の聞こえ方というところでしょうか。新型308の場合は、エンジンの音が室内の中央から発生しているような感覚になるんです。外から出てる音が中に入ってきているという感じじゃなく、中で音が発生している感じ。

音がうるさいとかそういうことを言いたい訳ではなく、むしろ先代よりもエンジン音の遮音性も上がっているとは思います。ドドドドドという低音がお腹から響いてくる感じというんでしょうか、マニュアルモードで回したらかなり気持ち良くなれること間違いなしです。

ただ、どことなく先代モデルよりも軽快感が薄れたような感じもありました。重量増の影響が大きいのかなあ。

また、やはりブレーキフィールはちょっと癖があります。
減速感は申し分ないんですが、停止までいこうとした時のブレーキコントロールが非常にシビアで、唐突に速度が0になってしまう感じがあるんですよねえ。アイドリングストップとの相性がかなり悪い気がします。

音関連で言うと、ウィンカーの音の聞こえ方もなんか変です。笑
音楽を聴くスピーカーからウィンカーの音が流れているような感じなんですよね。無駄に響くというか。

やや曖昧なステアフィール

ハンドリング感という部分だけを切り取った場合、新型よりも先代308のハンドリングの方が面白みがあって濃い雰囲気があるかなと感じました。

先代308のステアフィールは、現行プジョー車とは少し違う雰囲気を持っているんですよね。ズッシリ感が強い感じで、これでぐいぐい曲がるのがめちゃくちゃ楽しいのです。

新型308のステアフィールは、良くも悪くも508とかなり似たフィーリングになっています。全体的に軽めのステアフィール(軽いのは悪いとは思ってないです)で、滑らかさが増したような感じ。

ただ、センター付近から少しだけ動かしてコントロールするときのステアリングからのフィードバックがちょっと薄いんです。これは愛車の508SWに対しても思っていることで、308もこうなるかーと少し残念に感じてしまったポイント。

操舵に対する反応が遅いという訳ではないんですが、うまくドライバーに情報が伝わりきらないもどかしさがあります。

i-Cockpitは大好きなんですが、この点が唯一のネガと感じている部分なんですよね。

ただ、ズバッと切ったときは気持ち良く反応してくれますし、やっぱり小径ハンドルは運転が楽です。

ワインディング走らせた時にどんなものを魅せてくれるのかは気になるポイント。
街中を走った感じだと、先代308の方が軽快でスイスイ動かせる感覚はあったかなあというのが正直なところ。新型308に乗ってると508に乗っているような感覚になります、、w

ただ、コーナーでの姿勢制御は流石に508の方が一歩上だなという感じはあります。

日本仕様のナビはどうなるのか

新型308のGTグレードにはメーカー純正ナビが標準装備され、ボイスコントロールや液晶メーター内への地図表示が可能になる”はず”です。

”はず”と書いたのは、実はまだよく分かっていない部分があるということ。

今回試乗させていただいたのは、正確には日本国内で売られるモデルでは無く、右ハンドルの欧州仕様車に対して日本のナビゲーションも使えるようにしたものとのことらしく、実際に日本で売られるモデルのナビはどうなるか正確に分かっていないということでした。

今回、試乗車に関しては撮影した写真のアップロードはNGということで提示できないのですが、今回試乗した車と同じようなナビゲーション表示が出来るのであれば、非常に満足度の高いものに仕上がっていると思います。

センターディスプレイに表示されるナビゲーションは非常に精細で、今までのディーラーオプションナビと比べると雲泥の差です笑

そして、液晶メーター上への地図表示もかなり綺麗に出来ていました。i-Cockpitは視線を大きくずらすことなくメーターを見れることが利点の1つとして挙げられますが、このi-Cockpitで地図を見れるということは非常に大きな武器となると思います。

さらに、意外にもボイスコントロール機能もしっかり使えそうな雰囲気がありました。

「OKプジョー、プジョー〇〇に行きたい」

と、隣に座っている営業さんが喋ると、数秒でナビの案内を開始してくれる優れもの。(プジョーディーラー以外への音声認識精度は要確認ですが笑)

液晶メーター内の地図も、しっかりルート案内を表示してくれるようになりましたし、ルート表示もわかりやすい表示です。音声による案内もしっかり日本語でやってくれていたので、これがこのまま日本仕様としてくることを強く願います。

日本仕様がちゃんと出て試乗できるようになったら、しっかり確認したいと思います。

360°ビジョンはかなり高画質

新型308のGTグレードには、進化した4カメラによる360°ビジョン機能が搭載されています。

今までは1つのカメラで頑張って360°ビューを作っていたので、画質という面では他のメーカーよりも劣る部分がありましたが、新型308の360°ビジョンはかなり高解像度で非常に見やすかったです。

歪みもうまく抑えられていて、バック駐車が苦手な方にはかなり重宝する機能になるかなと思います。バック駐車は全然苦にしないという方でも、ミラー越しで見ると死角になっている部分をはっきり捉えられるので積極的に見てあげる方が個人的には良いかなと感じます。

Allureの場合はバックカメラオンリーとなるのか、それとも今までと同じ1カメラによる360°ビューは搭載されてるのかは気になるところ。今までは基本全モデル共通で360°ビュー機能が付いていて、そこがプジョーの良いところでもあったので、Allureにも新しい360°ビジョンは付けてあげてほしかったですね。

また、フロントカメラ、サイドカメラが付くようになったので、駐車時以外にもカメラ映像を呼び出せるのかなと思ってますが、どこから呼び出せるのか不明で確認は取れませんでした。

センターディスプレイで出来ることも以前と比べてかなり多機能になっている印象で、最初は覚えることが多そうです。ただ、デザイン面では格段に良くなっていると思いますし、メーター周りのデザインも素晴らしくかっこよかったです。

センターディスプレイとメーター周りはAllureもGTも同じだと思いますので、そう考えるとAllureの価格の低さは異次元レベルじゃないかなと感じます笑

GTを狙っているという方は、日本仕様のナビがどうなるか不透明なのでちょっと待って確認取れてから決めた方がいいかなと思いますが、Allureにはメーカーナビはついてこないので、Allureを狙っている方は早く決めてしまっても全然OKで、納期的なことや今後の値上がりの可能性を考えると早く決めた方がいいかもしれないです。

新型308は買いなのか?

いつもの採点評価は、ちゃんと日本仕様の試乗車に乗れるようになってから改めてとさせていただきますが、間違いなく新型308は”買い”な車です。

Cセグメントハッチバックというクラスの中で、圧倒的な静的質感を誇り、さらに乗り心地や静粛性の高さはクラスを完全に超えていて、超絶上質ハッチバックに仕上がっています。

それでいて、ガソリンモデルのAllureの価格は305万円。GTと比べて機能が落ちている部分も少なくはないですが、この内外装と動的質感が305万円で手に入ると考えるととんでもない破格だなと感じます。
自分ならガソリンAllure狙うかなあ。早くガソリンモデルも乗りたい!

ただ、一方で308ってこういう車であることが正解なのかな?と感じてしまう部分も無きにしも非ず。
508っぽい乗り味と何度か表現しましたが、個人的には508っぽさよりも308らしさを強く感じたかったというのが正直なところ。自分が508オーナーだから出る言葉かもしれません。

確実に先代308よりも上質な乗り味になっていて、機能的にも508を超えています。

だけど、走りだけで言うと先代308の感じの方が好きかも、と思っちゃってる自分がいるのです。

確実に買いな車ではあると言い切れるのですが、先代308の走りのイメージを強く持っている方は、一度試乗してから購入を決断することをオススメします。

私にとって新型308は次期愛車候補の1台でありましたが、現時点では外れてしまうかなあ。
508では出せない308らしさをもっと強く感じられたら、かなり惹かれてしまっていたと思います。
正式な日本仕様車が試乗できるようになったら、また頭をフラットにしてじっくり乗って検討します!ガソリンに乗りたいぞ!

新型308の情報

グレード展開・価格

  • Allure(ガソリン): 305.3万円
  • Allure BlueHDi:327.7万円
  • GT BlueHDi:396.9万円 試乗車
  • GT HYBRID:490.6万円

スペック ~独自のパワートレイン評価~

サイズ 4,420 x 1,850 x 1,475
ホイールベース
2,680mm
重量 1,420kg
パワートレイン 1.5L直列4気筒ディーゼルターボ
最高出力 130PS/3,750rpm
最大トルク 300Nm/1,750rpm
燃料・燃費 21.6km/L(WLTC)・軽油
駆動方式 FF
サス(前) マクファーソンストラット式
サス(後) トーションビーム式
パワートレイン別情報
1.5ディーゼル パワー トルク
D+ 59.0点 A 84.9点
1.2ガソリン パワー トルク
C 62.5点 B 75.9点
1.6PHEV パワー トルク
A- 82.0点 A 85.9点

「パワートレイン別情報」に記載しているランクは、パワーウェイトレシオ/トルクウェイトレシオを独自の採点方式でランク化したものになっています。

その他にも色々な車の試乗レビュー記事を書いています。他の試乗レビュー記事も是非チェックしてくださいね!

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