スズキから期待の新しい車が発売されました。その名もクロスビー(XBEE)。SUV×ワゴンという他にはない車。スズキはこういった車を作るのがうまいですね。
今回早速試乗させていただきましたので、乗ってみた感想を記事にしてみます。
本記事では、年間100台ペースで試乗している自称「試乗マニア」ならではの視点でレビューをさせていただきます。また、以下要素に関して勝手ながら採点評価をさせていただきます。
- エクステリア
- インテリア
- 走行性能
最後に良いところ、不満なところをまとめて紹介します。さらに、撮影してきた試乗動画も紹介していますので、どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
【マニア試乗記】 スズキ クロスビーを採点評価! ターボエンジン+マイルドハイブリッドの実力はいかに!?
まずは、スズキ クロスビーの価格やスペックなどの基本情報を紹介します。
スズキ クロスビーの基本情報の紹介
価格は176万〜214万円です。グレードは2種類の展開になっていて、パワートレインは1種類のみです。また、FF, 4WDが選べます。
グレードは、MZとMXの2種類になっています。LEDヘッドランプや本革ステアリングを搭載しているMZをオススメしたいところです。MZの価格は、FFが200万、4WDが214万円となっています。今回試乗させていただいたのは、MZグレードの4WDモデルになります。
スペックは以下の通りです。
サイズ | 3,760 x 1,670 x 1,705 |
---|---|
重量 | 960kg(FF) 1,000kg(4WD) |
エンジン | 1.0Lターボ(3気筒) + ハイブリッド |
ミッション | 6AT |
最高出力 | 99PS/5,500rpm |
最大トルク | 15.3kgm/1,700rpm |
燃費・燃料 | 22.0km/l・レギュラー(FF) |
スズキでは初めて、ハイブリッドモデルにターボエンジンを組み合わせてきました。1700回転で最大トルク15.3kgmを発揮します。1.0Lターボとなるため、自動車税が29,500円とやすくなるところも魅力的ですね。CVTじゃなく6ATが用いられていることも好印象です。
サイズは非常にコンパクトで、視点も高いためかなり運転しやすいです。最小回転半径も4.7mとかなり小回りが効きやすいです。
また、本ブログ独自の採点方式による最高出力、最大トルクを重量で割った値のトルクウェイトレシオの採点結果は以下のようになっています。
この価格帯にしては非常に高い点数です。特にトルク性能はこのクラスでは中々ないものになっていますので、試乗が楽しみなところでした。
スズキ クロスビーのエクステリア評価
日本車らしからぬポップなフロントフェイス
フロントフェイスは、スズキの軽自動車のハスラーによく似ていますね。
SUVで力強い印象を醸し出していますが、ヘッドライトなどポップにまとめられていて可愛さも感じられます。男性も女性もおしゃれに乗れる車になるんじゃないでしょうか。
私は丸目大好きおじさんなので、日本車からこういう車が出てくるのはとても嬉しいです。(ミニクーパーユーザーでした。)
少し斜めから見て見た感じです。グリル部分も結構凝ってデザインされていることがわかります。グリル下に横に太いシルバーラインが伸びているところも斬新で特徴的ですね。全体のフォルムとしては角ばっている感じですが、パーツそれぞれは丸みを帯びていて、ポップな印象を際立てています。
2トーンカラーの上を行く3トーンカラー
最近、日本車でも2トーンカラーの車が増えてきたなという気がしますが、このクロスビーという車、なんと3トーンカラーを選択することができます。試乗させていただいた車が3トーンカラーとなっていました。
ボディカラーがグレー、ルーフがホワイト、そしてサイドにイエローのアクセントという3トーン構成となっています。
特別仕様車などで、色々な組み合わせを展開できそうですね。
3トーンカラーをカスタムできるようになる時も来るんじゃないのかなと個人的には思っています。現在は、3トーンカラーは2種類だけ選べるようになっています。もう1種類は、ブラック x ホワイト x オレンジの組み合わせです。
アクセント部分は結構目立ちます。
リアランプが可愛らしい
リアランプはクロームメッキで囲まれています。リアも丸みを感じるものになっていて、ポップさがうまく出ていると思います。
16インチアルミホイール
ホイールは、この車格にしては大きめの16インチアルミホイールを履いています。MZ, MXグレード共にこのホイールを履いています。
ホイールデザインは中々いいんじゃないでしょうか。標準ホイールとして黒ホイールを選択してきたところも中々面白いと思います。ボディがポップな印象ですから、そこを引き締めるような役割も担っているのかなと勝手に感じています。
オプションなどでは逆にホワイトホイールが選べるようになっていても面白いかなと思いました。
カラーラインナップは11種類
一番多いのが2トーンカラーで、6種類選べるようになっています。モノトーンカラーが3種類、3トーンカラーが2種類の合計11種類が選べるようになっていて、豊富です。
ただ、上でも述べましたが、ユーザーがそれぞれ選んでカスタマイズできるような仕組みがあって欲しいなとも思います。オプションで結構柔軟にカスタマイズできるみたいでした。自分好みの1台をこだわって完成させることもできますね!
エクステリア採点
フロントフェイス
★★★★☆
フォルム
★★★☆☆
リア
★★★☆☆
カラーラインナップ
★★★☆☆
エクステリア総合評価(7 / 10点)
★★★★★★★☆☆☆
ポップな印象で、個人的にも丸目大好きなので高い評価になりました。他にはないデザイン、フォルムでライバルらしいライバルがいないです。
スズキ クロスビーのインテリア評価
インパネもとってもポップ
インパネ周りもかなりポップにまとめられています。ソリッドホワイトカラーでまとめられていて、車内が非常に明るくなりますね。
ナビが少し浮いた印象にも感じます。ナビもホワイトでまとめられるとよりまとまった印象となりそうです。
ドア周りにもホワイトカラーが用いられています。
ボディカラーに応じたアクセントカラーを用いたシート
ボディカラーに応じて、シートのカラーアクセントのパターンが決まっていて、今回はイエローアクセントのシートとなっています。
このアクセント、イエロー中々いい感じでした。少し渋目のイエローで、ちょっとしたおしゃれさを演出しています。
アクセントカラーは3種類用意されていて、他の2つはオレンジとアイボリーです。実物は見ていないですが、個人的にはこのイエローアクセントが一番気に入りました。
後席シートにもしっかりアクセントカラーが用いられています。
また、シートの質感は柔らかめで居心地はいいですね。長時間運転するには少し柔らかすぎるかなという感じもありますが、おしゃれで質感も高くていい感じです。
MZグレードだと写真のように蜂の巣のような模様が入っていて、撥水加工がなされているようです。
あと、シートヒーターが標準で付いてくるというのも非常に嬉しいところ。200万の車にシートヒーターが標準で付く時代になったんですね。僕のプジョー5008には付いてないです。。
2列目はなかなか広々
2列目の座席空間ですが、足元の空間は結構広々としています。ただ5名乗車となると、2列目真ん中に座る人の居心地はあまり良くないでしょうね。
ラゲッジスペース
ラゲッジスペースは、車長を考えるとこんなもんかという感じです。ただ、横幅、縦幅はなかなかの広さになっていて、2列目を倒さなくてもゴルフバックが横につめられたり、ベビーカーを縦に積むなんてことも可能なようです。
ラゲッジスペース前方には、小物入れスペースが隠れていました。
インテリア採点
おしゃれさ
★★★★☆
高級感
★★☆☆☆
利便性
★★★☆☆
シート
★★★★☆
インテリア総合評価(8 / 10点)
★★★★★★★★☆☆
スズキ クロスビーの走行性能評価
6ATとターボエンジン+ハイブリッドによる太いトルクはかなり快適
まず出だしで感じたことは、発進加速性能の高さです。CVTではなくATを採用していること、そして1.0L直噴ターボとマイルドハイブリッドの組み合わせが十分に生かされており、発進時のストレスは全く感じません。車体重量が1000kgとかなり軽いこともあり、スペック以上のトルク感を感じました。
ATも非常に滑らかで、シフトチェンジ感は良くも悪くも全然感じられないです。パドルシフトも付いているので、マニュアルモードで楽しむこともできます。
この組み合わせはなかなか面白いです。スイフトスポーツほどの性能はいらないけど、ある程度力強い走りも楽しみたいという方には非常にオススメできると思います。
エンジンフィーリングもなかなか良好
発進性能の高さに加え、エンジンフィーリングもなかなか良好で、伸びやかで気持ちいいエンジンです。エンジン音の静粛性もある程度高く、不快感はなく気持ち良さだけが目立ちます。
乗り心地はびっくりするほどマイルド
足回りは非常にマイルドな乗り味になっていて、突き上げなどは「ふわっと」うまくいなしてくれます。ちょっとした段差を乗り越えてもガツンとした振動は全然来ず、ふわふわというのがふさわしい乗り心地。シトロエンもびっくりの棘がなくふわっとした乗り心地になっています。オフロードでも快適に走れるSUVらしい乗り味になっているなと感じました。
ただ、その分やはり車体の安定性というところに少し難ありといったところで、段差を乗り越えた時に結構車体が揺らいだり、コーナーでのロールは結構感じます。とは言ってもSUVのカテゴリで見たらこんなもんかなという気もしますので、大きく気にする必要はないと思います。
「HEARTECT」という高剛性の新プラットフォームを採用しているということですが、剛性感というところはあまり感じられませんでした。
遮音性はもう一歩といったところ
静粛性に関しては、エンジン音やロードノイズに関しては、この車格にしてはなかなかものかと思います。が、外の音(対向車のエンジン音など)は意外に結構入ってくるなという印象でした。この辺りがもう少しレベルが上がると、さらに車の品格が上がると思います。
視界は非常に良好
運転のしやすさというところを非常によく考えられているなという印象で、視界はかなり良好です。
視点が高いというところもありますが、Aピラーとサイドミラーの間に窓が用意されていて、コーナーでも視界が十分確保されています。
ステアリング反応は若干鈍いか
少し残念だと感じたポイントは、電動パワーステアリングの反応の鈍さです。ステアリングは軽く取り回しやすい感じにはなっているのですが、反応の鈍さは少し厄介だなと感じました。ワンテンポ遅れて車体が曲がってくるような感じで、思ったより曲がってないなと思ってさらにハンドルを切ると、実は切りすぎていて曲がりすぎちゃっているなんてことが結構ありました。
野暮ったい重たさがあるわけではないのですが、もう少しクイックな方が運転もしやすいと思いますし、楽しく走れるんじゃないかなと思います。
ブレーキが少し効きづらい?
ブレーキに関しては、効きが少し悪い感じを受けました。ブレーキペダルを踏んだ感覚もあまりない感じで、これちゃんと止まってくれるの?という不安に感じることがありました。
浅く踏んだ時にはあまり効かなくてもいいとは思うのですが、深く踏んだ時には、もう少しちゃんと効いて欲しいですね。スピードを出すのに躊躇してしまいます。
走行性能採点
- 加速感 … 7.5/10点
- 乗り心地 … 8.5/10点
- 静粛性 … 7.5/10点
- 操舵性 … 6.5/10点
- 楽しさ … 7.0/10点
総合得点:74/100点
スズキ クロスビー試乗レビューまとめ
良いところ
- ポップで他にはないエクステリアデザイン
- ポップで明るいおしゃれなインテリア
- 高さと幅のあるラゲッジスペース
- 発進時加速性能の高さ
- 伸びやかで気持ちいいエンジンフィーリング
- マイルドで硬さを全く感じない乗り心地
不満なところ
- 遮音性がもう一歩
- 剛性感
- ステアリングの反応の鈍さ
- ブレーキの効き
最後に
スズキ クロスビーの試乗レビューはいかがでしたでしょうか。撮影してきた試乗動画もよかったらご覧になってください。
外観は非常にポップで、見た目で選ぶ車なのかなというのが最初の印象でしたが、運転のしやすさ、ラゲッジスペース確保の工夫などの実用面もよく考えられていて、さらには1.0L直噴ターボとマイルドハイブリッドの組み合わせが非常によく、なかなか気持ちよく運転ができる車で、見た目だけじゃないぞというところを十分に感じさせてくれました。コンパクトカーという部類で考えると、かなり楽しく運転ができる方じゃないでしょうか。
最後に筆者がどれくらい買いたいと思わされたか、星評価で表して終わりにしたいと思います。
買いたい度(7 / 10点)
★★★★★★★☆☆☆
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