どうも、くるすぺです。
今回はバカ売れ確定車「ヤリスクロス」さんに試乗させていただきました。
以前、ヤリスクロスが発表されたときにはこんな記事も書いていました。
非常に期待ができる存在だと感じていたからこそ書かせていただいた記事です。滅多にこんな記事は書きません笑
来年を目処に、父親カー、妻カーの買い替えを検討していますが、もちろんこのヤリスクロスも大候補。
買うならガソリンモデルかな〜ということと、ダブルウィッシュボーンを搭載する4WDの乗り味が非常に気になっていたので、今回はガソリンの4WDモデルに試乗させていただきました。
「タイトルの”辛口注意”ってなんなの?」
率直に言うと、あまり良い感想にはならなかったということです。
それでもいいよと言う方はご覧いただけると嬉しいです。
走り、動的質感と言った部分のレポートを中心にお届けします!
ヤリスクロス 〜試乗マニアによる試乗インプレッション〜
- グレード・価格・スペックなどの基本的な情報について(簡単に)
- 静的質感について(簡単に)
- 動的質感について(メイン)
- 5つのポイントで動的質感の採点評価
こんな流れで話していきます。写真もたくさん紹介しますが、本記事では動的質感をメインに語っていきます。
ヤリスクロスの基本情報を紹介
試乗インプレを語り出す前に、まずはヤリスクロスの基本的な情報について簡単にお伝えしていきます。
本ブログ独自の採点方式を利用したパワートレイン評価(S~Gで評価)もここで紹介します!
グレード展開・価格
- 1.5Lガソリンエンジンモデル
- X B Package:179万円(FF) / 202万円(4WD)
- X:189万円(FF) / 212万円(4WD)
- G:202万円(FF) / 225万円(4WD)
- Z:221万円(FF) / 244万円(4WD) ←試乗車
- 1.5Lハイブリッドモデル
- HYBRID X:228万円(FF) / 251万円(4WD)
- HYBRID G:239万円(FF) / 262万円(4WD)
- HYBRID Z:258万円(FF) / 281万円(4WD)
私が試乗させていただいたのは、Zの4WDということで244万円。こんな高かったのか、、w
私が父親カーとして買うならGのFFあたりを狙いに行くかなと思います。
というのも、4WDよりFFの方が走りのバランスがいいかもしれません。この辺りは走りのレポートで詳しく語ります。
スペック ~くるすぺ独自のパワートレイン評価~
基本スペック(ガソリンモデル) | ||
---|---|---|
サイズ | 4,180 x 1,765 x 1,590 | |
重量 | 1,200kg(4WDガソリンの場合) | |
エンジン | 1.5L直列3気筒ガソリンNA | |
ミッション | CVT | |
最高出力 | 120PS/6,600rpm | |
最大トルク | 145Nm/4,800rpm | |
燃費・燃料 | 17.4km/L・レギュラー(WLTCモード) ※4WDモデルの場合 |
|
駆動方式 | FF・4WD | |
サス(前) | マクファーソンストラット式 | |
サス(後) | ダブルウィッシュボーン式(4WDの場合) | |
パワートレイン別情報 | ||
1.5L ガソリン |
価格帯 | |
179〜244万円 | ||
独自の採点方式による評価 | ||
パワー | トルク | |
C+ 69.9点 |
D+ 58.5点 |
|
1.5L ハイブリッド |
価格帯 | |
228〜281万円 | ||
独自の採点方式による評価 | ||
パワー | トルク | |
C 65.0点 |
B 74.0点 |
ヤリスクロスの内外装について少し語る
撮影してきた内外装の写真を、一言コメントを添えながらご紹介します。
エクステリア
試乗させていただいたヤリスクロスにはモデリスタの「ADVANCE ROBUST STYLE」エアロパーツが装着されていました。
個人的にはエアロ無しの方が好きです。
ブラックマイカはキリッとした印象で良かったです。
こちらがメインで撮影させていただいた展示車両。同じくZグレードです。
ボディカラーは「センシュアルレッドマイカ」。落ち着いた印象のある赤で、ブラックツートンとの相性も良さそうです。(撮影車両はワントーンカラー)
宇宙人的なヘッドライトデザインが印象深いです。グリルデザインもかなり変わってて個人的には結構好きな攻め方。
エクボの部分はウィンカーとして機能するのです。
グリルはZグレードのみピアノブラック塗装になるようです。
サイドビューは凝縮感がすごいです。フォルムは非常にバランスいいと思います。
ウィンドウモールやBピラーなど、無塗装部分が多く目立ちますが、個人的にはそんなに気にはならなかったです。
サイドバンパー部の樹脂デザインもいいアクセントになってます。オシャンティー。
この車名入りプレートはGグレード以上で装備されます。
リアフェンダーの盛り上がり具合はすごいっすw
ヤリスと比べると全幅が70mmほど広くなってますが、この膨らみ分でしょうね。
給油口がすごい形状になってます。
リアデザインのバランスも非常に良いです。バンパー部はやはり無塗装ではありますが。
一直線に繋がるテールランプが後ろにグッと張り出している感じがセクシーです。(ライトは一直線に繋がるわけではないみたいですが。)
ZグレードになればテールランプもフルLEDです。ウィンカーもキラキラ綺麗。
シーケンシャルではありません。
インテリア
Zグレードではブラウン内装しか選べないみたい。悪くないんだけど普通にブラックにしたい人も多い気もします。
Gグレードではブラック基調の内装になります。
質感はそれほど高い感じないですが、デザインはうまく工夫しているなという印象を受けます。
インテリア全貌。ブラウン内装も悪くないですがシートデザインがあんまり好きじゃないです。
もしかしたら女性受けは良いのかもしれません。
標準装備のディスプレイオーディオ。
分かってはいましたが取って付けた感満載です。ディスプレイがうまく融合したインテリアを持つトヨタ車に早く会いたいぞ。
運転席はなんとパワーシートを採用。6WAYとなってます。(Zグレードのみ標準装備)
写真の一番右側のレバーが前後位置を調整するレバーなんですが、これ初見での操作むずいのでご注意くださいw
スライドするんじゃなくて、回転させるっていう感じで倒してあげれば動きます。
後席への乗り込みは結構スペース厳しいですね。
父親カーの候補としても考えてましたが、足の悪い母親が後席に乗り込むことを考えると、このスペースは少しばかり辛いです。
そういう事情がなければ、そんなに気にするような部分ではないと思うんですけどね。
リアシート。色合いはちょっと気に入らないですが、質感は申し分ないかと。
そして、このリアシート、Gグレード以上で4:2:4分割可倒式シートが採用されていますが、真ん中倒すとそこにドリンクホルダーが現れるというびっくりギミック。
中々良いアイデアじゃないですかね。
ラゲッジ容量は後席がおきている状態で390L。
ボディサイズにしては結構頑張っている方だと思います。何より、4:2:4で使い勝手が良い!
床下収納も用意されてます。床下もフラットで結構深かったですが、これ撮ったのFFモデルなんで、4WDモデルだとまた違った感じになってるかもしれません。
後席も結構フラットに倒れてくれました。
ヤリスクロスの動的質感について熱く語る
素人目線ではありますが、乗ってきて感じたことを、自信を持って!素直に!正直に!お伝えしていきます!
冒頭でも話した通り、期待していただけに気になる点が結構ありました。
気になった点はざっくり以下3点。
- エンジン音
- ダブルウィッシュボーンの足
- パワーステアリング
詳しく語っていきます!
力不足かのように思わせてしまうエンジンフィール
今回試乗させて頂いたのは1.5Lガソリンエンジンモデル。ダイナミックフォースとか言うかっこいい名前が付いてます。
このダイナミックフォースエンジンはヤリスでも体験済みでしたが、エンジン音の大きさ、ノイズ感がやや気になるポイントでした。
ヤリスからヤリスクロスになって、このエンジン音に対する遮音性がもしかしたら結構改善されてるんじゃないか、結構期待を寄せて乗らせてもらいましたが、、
ガビーン。ヤリスよりうるさく感じる。。
ヤリスよりヤリスクロスの方が静音性に欠けるということは多分無いと思ってて、静音性に対する対策は両者ほぼ同じ感じになっているんだろうなと思います。
なぜヤリスよりもヤリスクロスの方がうるさく感じるのか。
それは、エンジンが同じで車重が重たくなってしまっているから。ヤリスはFFしか乗ってなくて、今回のヤリスクロスは4WDだったので余計にですね。(200kg近く重くなってる)
ヤリスと同じような加速を求めようとすると、車重の重たいヤリスクロスの方がエンジン回転数を上げなくてはいけなくなることは必然です。
よって、ヤリスクロスは遮音性に結構気を使ってくると見込んでいたのですが、完全に見込み違いでした。。
そして、3気筒ということもあり、ノイジーで心地良い音でもないのが痛い。音がある程度大きくても、その音を心地よく感じることができれば案外気にならないものなんですが、私の耳には合わない音です。
大通りに出る場面があったので、ちょっと踏み込んで60km/hくらいまで加速を試してみました。
「あ、あれ?こんな回さないと進まないほどパワー無かったっけ?」
というのが、瞬間的に感じた率直な印象でした。4000〜5000くらいまで回ってんのかなと思ってタコメーターを覗いてみたら、これまた衝撃。
「あらやだ、3000回転くらいしか回ってないじゃない!?」
この回転数でこの音になっちゃうのかよ!と突っ込みたくなる音質と音量。
あと、音が前からじゃなくて車体の中心部から入ってきているような感覚を覚えました。
ガソリンエンジンでしかもNA。ガソリンの良さって3000〜4000回転くらいまで回したときの気持ち良さにあると思うんですが、ここに気持ち良さを感じれないのは個人的には致命的。
3000まで回さないようにして走りたくなってしまうので、必然的に加速フィールは物足りない感じになってしまいます。
実際、そんなにパワーが不足しているとは思えないんですが、音によってそう感じさせてしまっているんでしょう。勿体ないなと感じてしまいます。
ガソリンでもFFモデルならまた印象少しは変わるかもしれないですねえ。
ただ、ダイレクトシフトCVTの感触は、ヤリスよりも良い印象でした。ヤリスのときに感じた発進加速のピーキーさ、ギクシャク感は思い返すと一切無かったなと。(音に気を取られすぎて集中できていなかった可能性も否めませんが。)
ヤリスクロスを十分に堪能するにはやはりハイブリッドを選ぶ必要があるのかな~。トボトボ。
実はFFのトーションの方がいいんじゃないか説
続いては乗り心地の面。
以前、ヤリスのFFモデルに2回試乗させていただきましたが、ガソリン、ハイブリッド共に非常にしなやかな脚さばきを魅せてくれました。国産コンパクトカーの中ではNo.1と言っても過言ではない心地良い乗り心地に仕上がっています。
で、今回はヤリスクロスの4WDモデル。
FFモデルはトーションビーム式のリアサスペンションを採用していますが、4WDモデルでは独立懸架式のダブルウィッシュボーン式サスペンションを搭載するという点が大きなポイントです。
ヤリスクロスが発表されたとき、「この4WDダブルウィッシュボーンはヤリスクロスのために生まれたのかもしれない!」と、ヤリスクロス4WDの乗り心地に大きな期待を寄せていました。
が、しかし。。。
4WDに乗ってみた率直な感想は、「FFのトーションビームの方が気持ちよくて面白い」でした。
いや、ヤリスクロス4WDの乗り心地も単体で見たらそんなに悪くはないと思うんですよ。
18インチタイヤを履いていながら棘が無くてマイルドな脚になってますし、ボディ剛性の高さはしっかりと感じることができます。
気になったポイントとしては「収束性」という部分です。
サスペンション(アブソーバー)はバネが伸び縮みすることで、路面からのショックを吸収する役目を果たしてます。このショックを吸収するという点に関しては、かなりよくできていると思います。
ただ、ショックを吸収した後に元通りの姿勢に直るまでの時間が長い。ボヨンボヨンと左右に揺れる余震が続き、収まりが悪いなという印象を強く感じてしまいました。
これは、FFのヤリスに乗ったときには全く感じなかった部分。ある程度引き締まった脚になっていて、収束感の気持ちよさも好印象でした。
ヤリスクロスはSUVとなり車高が上がった分、ストローク量も増えてこういう傾向になってしまうのは仕方ない部分でもあるとは思うんですが、あまりにもその傾向が強いと感じます。個人的にヤリスクロスに求める乗り味はコレジャナイ。
もちろん、SUVらしいおおらかな動きをするこの乗り味が良いんだと思われる方もいるとは思います。これが好きだと言うのであれば全くもって問題なし!
言いたいことは、ダブルウィッシュボーンが装備されているという理由だけで4WDを選ぶのは得策じゃないかもしれないということ。FFと4WDでだいぶ乗り味の印象変わるはずです。
先入観を捨ててFFと4WDを乗り比べて、どっちの乗り味が好きかで選んでもらえるといいかな~と思います。
思い返すと日産キックスの乗り心地のバランスは結構優れていたんかもしれんなあ。ハイブリッドモデルを検討しているのであれば、キックスも比較で乗ってみるのもいいかもしれません。意外と良い走りをしているので。
悪くないんだけど違和感の残るハンドリング
ハンドリングに関しては、ヤリスに乗ったときに感じた違和感がうまく解消できているといいなあという気持ちで乗らせてもらいましたが、残念ながら違和感は残ったままでした。
気になるポイントとしては、「操舵応答性」。
舵角に対して鋭く曲がるとか緩く曲がるとか、そういう部分ではなくて、ステアリングを切り始めてすぐに車が曲がり始めてくれるかどうか、という部分のことを言ってます。
端的に言えば、ステアリングを切った後の車の反応がワンテンポ遅いという感じです。これはFFのヤリスに乗ったときと全く同じ感想を抱きました。残念無念。
あと気になったのは、ステアリングの操舵に対するアシスト力が強すぎやしないかというところです。
パワーステアリングを搭載しているので、回す力をアシストしてくれるのは当たり前なんですが、人間の意思に対して過敏に大袈裟にアシストしてしまっている感覚を覚えました。
個人の感想としては、ここまでされちゃうと意のままに操れるというような感覚はゼロ。逆に、車に操られてしまっているような感覚にさえなってしまいます。
でも、このステアリングの性格って敢えてこうしているような気がしてなりません。TNGAを採用するカローラやC-HRの操舵性の高さを考えると、妥協してこうなったとは考えづらい。
応答性がやや鈍いのも、ステアリングアシストが強いのも、人によっては運転が楽になったと感じるんじゃないかなと思うんです。
ゆったり真っ直ぐ走れる〜とか、めちゃくちゃ楽に左折できる〜とか。
購買層を考えた結果、敢えてこういった味付けにしているんじゃないかというのが私の勝手な推論。根拠は全くないので当てにしないでくださいw
試乗の際は、是非このハンドリングという部分に集中して乗っていただきたいです。自分の意のままに操れることができているのかどうか、しっかりとした意思を持って試乗を楽しんでもらえると何か違う世界が見えてくるかもしれません。
あ、コーナリングの姿勢制御は素晴らしいと思います。ここはダブルウィッシュボーンがうまく生きているような感じもしました。
基本性能が高い車であることはしっかり感じ取れるだけに、ちょっと惜しいなあと思ってしまうのです。
静粛性が上がれば大分印象が変わるはず…
ここまで結構な辛口感想を連ねてきましたが、静粛性が高ければガラッと印象変わるんじゃないかなと思ってます。
乗り心地やハンドリング、コーナリング性能は、私には合わなかったですが決して悪くはないと思ってます。
エンジン音が静かで快適な室内空間になっていれば、これはこれでアリよね〜という風に感じることができていたかもしれません。
ちなみに、エンジン音だけでなく、風切り音やロードノイズも結構気になります。一番気になるのはやっぱりエンジン音でしたが。
静粛性の部分では、ヤリスとの違いをしっかりと見せて欲しかったなと強く思います。もっと言えば、ロッキー/ライズと言った弟分に対しても。
ロッキーも、エンジン音の遮音性が高い車とは言えませんが、あちらは1Lターボエンジンを搭載しているので、低回転でのトルクが太く、そんなに回さなくてもスイスイ加速していくことができます。
回転数が低く抑えられる分、ロッキーの方が全体的に静かなんですよねえ。
今後の改良によって、ヤリスクロスの静粛性が向上されることを強く期待したいと思います。
ヤリスクロスの動的質感評価まとめ
試乗レポートのまとめとして、5つのポイントで採点評価をさせていただきます。参考程度にお受け取りください。価格帯やボディタイプを考慮した採点になっています。
- 加速感 … 6.0/10点 C
- 乗り心地 … 7.5/10点 B+
- 静粛性 … 5.5/10点 D+
- 操舵性 … 7.0/10点 B
- 楽しさ … 6.5/10点 C+
総合得点:65/100点 C+
最後に 〜その他オススメの車を紹介〜
ということでヤリスクロスの走りの感想は以上です。
期待していただけに辛口になってしまう部分が多かったですが、ハイブリッドのFFであれば結構良い感じになってるかもしれないなという予感はあります。
色々書いてはきましたが、なんというか肩肘張らずに気楽に運転できる車だなと感じてます。運転に不慣れな人にももちろん、足車的なセカンドカーとしても良いんじゃないかなと思います。
受け入れられるユーザー層が広くなるように作られた車なんじゃないかなと感じてます。
また、コンパクトSUVおすすめ集という記事も書いてます。ヤリスクロスはランクインならずとなりますが、よければ併せてチェックしてみてください。
最後に、ヤリスクロスに興味があるあなたにオススメしたい車を3台紹介させていただきます。こちらの試乗記も是非合わせてご覧ください。
ダイハツ ロッキー
スタイリング的にはヤリスクロスかなと思いますが、使い勝手、走り、価格のバランスは非常に高い車に仕上がってます。父親に推したいのも、ヤリスクロスよりロッキーかな。
日産 キックス
ヤリスクロスに乗って、キックスってやっぱりかなりバランス優れた走りを手にしているなと感じました。
こちらはe-POWERモデルしかありませんが、ヤリスクロスのハイブリッドを検討している方は是非。乗り比べると意外とキックスの方が好きかもとなるかもしれません。
プジョー 2008
サイズも少し大きくなりますし、価格帯もやや上がってしまいますが、同じ3気筒のエンジンを搭載する2008にも興味本位でいいので乗ってみてもらいたいですねえ。
という私もまだ乗れてませんが、208の出来が相当良かったので間違いないとは思ってます。近々試乗予定ですので、また乗ったらレポートします。
その他にも色々な車の試乗レビュー記事を書いています。他の試乗レビュー記事も是非チェックしてくださいね!