2018年3月に、日産から待望のセレナ e-POWERが発売されました。最近はセレナが走っているところをよく見ますね。スタイリングもなかなかいいですし、室内空間も抜群の広さ担っているので、売れるのも納得です。
唯一とも言える弱点がフルハイブリッド車がなかったこと。燃費性能においては、他のライバル車のハイブリッドモデルに少し劣っていました。動力性能もイマイチでしたね。
e-POWERになったことで、燃費はもちろん、動力性能もかなり向上しています。試乗した際に、試乗中の燃費が最後に表示されましたので、その実燃費も記事の中でお伝えしたいと思います。
本記事では、年間100台ペースで試乗している自称「試乗マニア」ならではの視点でレビューをさせていただきます。また、以下要素に関して勝手ながら採点評価をさせていただきます。
- エクステリア
- インテリア
- 走行性能
最後に良いところ、不満なところをまとめて紹介します。どうぞ最後までお付き合いくださいませ。
【マニア試乗記】日産 セレナ e-POWERを採点評価!女性にもオススメできるミニバン!
まずは、価格やスペックなどの基本情報を紹介します。
日産 セレナ e-POWERの基本情報の紹介
価格は296万〜343万円です。ライバル車となるステップワゴンスパーダハイブリッドは330万〜356万円となっていますので、価格の面ではかなり優秀ですね。
関連記事:【マニア試乗記】ステップワゴンスパーダハイブリッドG・EXを採点評価!
パワートレインは、エンジン発電用の1.2Lエンジンと駆動用モーターの組み合わせとなっています。ホンダのi-MMDと同じように、エンジンは発電のためだけに利用してモーターだけで駆動するシステムになっています。
また、e-POWERは駆動方式はFFしか選択することができません。これもステップワゴンやオデッセイなどのホンダのi-MMD車と同じですね。
基本スペックは以下の通りです。
サイズ | 4,690 x 1,695 x 1,865 |
---|---|
重量 | 1,730kg |
動力 | e-POWER |
ミッション | – |
最高出力 | 136PS/- |
最大トルク | 32.6kgm/- |
燃費・燃料 | 26.2km/l・レギュラー |
注目したいのは、トルク性能の高さですね。これはホンダのi-MMDの性能を超える性能になっています。が、その分パワーは物足りない感じですね。
燃費もこのクラスだとトップクラスの26.2km/lとなっています。
また、本ブログ独自の採点方式による最高出力、最大トルクを重量で割った値のトルクウェイトレシオの採点結果は以下のようになっています。
やはりパワー不足が少し気になる点数ですね。本当に走りがいいミニバンランキングでは惜しくもTOP10入りはなりませんでした。他にどのような車種がランクインしているのか気になる方はチェックして見てください。
日産 セレナ e-POWERのエクステリア評価
e-POWER特有のブルーグリル
一目でe-POWERモデルと分かる、存在感抜群のブルーグリルが光っていますね。日産特有のVグリルと組み合わさって、電気自動車感がうまく出ていると思います。ブルーメタリックといった色はなかなか車で使われないのでいい特徴だなと思いますが、少し安っぽく感じてしまう方もいるかもしれませんね。
斜め前から見た図。立体感を感じる角度で見た方が、ブルーグリルはいい感じに見えます。
LEDテールランプの採用
セレナはLEDテールランプが採用されていなかったのですが、e-POWERモデルではLEDテールランプが採用されています。ライバルであるステップワゴンスパーダはLEDテールランプは採用しておらず、小さなところですがライバルより手の込んだところをアピールしています。案外テールランプがLEDかどうかは気になるところでもあるんですよね。
e-POWER専用15インチアルミホイール
少し離れ目でしか撮れておらず申し訳ないですが、e-POWER専用の15インチアルミホイールを履いています。空力特性に優れていて、エアロアルミホイールという表現がされています。
セレナの場合、ハイウェイスターグレードになると16インチアルミホイールとなるのですが、セレナ e-POWERの場合、ハイウェイスターグレードでも同じ15インチエアロアルミホイールが採用されています。e-POWERとのバランスをよく考えられたアルミホイールになっているのではないかと思ってます。
カラーラインナップは13種類
カラーラインナップは、13種類と数多くあります。そのうち4種類が2トーンカラーになっていて、人気があるのはホワイトボディにブラックルーフの2トーンカラーのようですね。確かに一番セレナに似合っているシックな色合いだと思います。
また、セレナ e-POWER専用色というのも用意されていて、ミントホワイトパールという色です。
エクステリア採点
フロントフェイス
★★★☆☆
フォルム
★★☆☆☆
リア
★★★☆☆
カラーラインナップ
★★★☆☆
エクステリア総合評価(5 / 10点)
★★★★★☆☆☆☆☆
三菱 エクリプスクロスのインテリア評価
シートは非常にシンプル
シートデザインは非常にシンプルで、質感がめちゃくちゃ高いような感じはありませんが、馴染みやすく好印象です。過ごしやすい空間作りというのにこだわった結果がこのシンプルさなのかなと勝手に思っています。
シートの質感も悪くはないですが、少し柔らかいかなという気もします。長時間運転した時の疲れ具合がやや気になるところですね。
シンプルでデザイン性もあるセンターコンソール
センターコンソール周りもシンプルにまとめられていますが、デザイン性も割と高くおしゃれな感じも醸し出せています。速度メーター等は、ハンドルの上から見るような形式で、視点移動が少なく走行情報を確認することができるようになっています。
e-POWERは7人乗りキャプテンシートのみ
通常のセレナでは、8人乗りタイプのシートスタイルを選ぶことができましたが、e-POWERでは2列目がキャプテンシートタイプの7人乗りタイプしか選ぶことができません。2列目の特別席感はよく出ていて、快適に過ごせそうな印象ですが、それでも8人乗りモデルを選びたかった方も少なくはないのではないでしょうか。少々残念な点ですね。
居住性は抜群で、異常なまでに広いです。3列目もかなり快適に過ごせます。
室内空間の広さの面では同クラスでは群を抜いており、ライバルに対する大きなストロングポイントになっています。居住性で選ぶとすればセレナ一択と言ってもいいでしょう。
インテリア採点
おしゃれさ
★★★★☆
高級感
★★☆☆☆
利便性
★★★★★
シート
★★★☆☆
インテリア総合評価(7 / 10点)
★★★★★★★☆☆☆
日産 セレナ e-POWERの走行性能評価
動き出しは思ったよりは静かじゃない
電源ONにして止まっている状態の静かさは無音といっていいほど静かですが、動き出した時の音は思ったよりも静かには感じませんでした。モーター音が案外結構目立つ印象で、それに加えてロードノイズや風切り音が入ってくるなという印象です。
ライバルであるステップワゴンスパーダハイブリッドなんかは、走り出しの音は非常に静かだったので、それに比べると少し物足りなさを感じてしまいました。
ただ、普通の車よりはちゃんと静かですのでご心配なく。
エンジンONになった時が思ったより静か
走行中、エンジンでの発電が必要になるとエンジンが掛かりますが、1.2Lエンジンということもあるのかエンジンがかかってもほとんど気になることはありませんでした。
逆に、ステップワゴンスパーダハイブリッドは、エンジンがかかるまではかなり静かではあるのですが、エンジンがかかった瞬間ははっきりと分かりますし、スピードを上げていく中でかなり回転数が上がってエンジン音が気になりました。
セレナ e-POWERはエンジンがかかっていない時も、エンジンがかかっている時も大きな騒音性には変化がなく、エンジンがかからないように気を遣って走らなきゃとか考えずににすみそうですね。
抜群というほどのトルク感はないが、不足は全くない
トルク性能はステップワゴンスパーダハイブリッドを上回る性能ですが、パワー不足ということから発進時に抜群の加速性能があることは感じられませんでした。スポーティな走りを楽しむというようなチューニングにはなっていません。
ですが、加速感に不満を感じる場面は一切なく、ストレスなく発進でき、家族の車としては十分な性能になっていると思います。
剛性感は物足りないが癖のない乗り味
剛性感はいまいちで、路面が荒れたところでは車体の揺れを結構感じたり、コーナーの安定感も若干不安定に感じる場面もありますが、乗り味はうまくチューニングされていて癖がなく、予想外に心地よく走れるなという印象が強かったです。2列目、3列目に乗っている人も心地よく過ごせるんじゃないかなと思います。
視界が広く、非常に運転しやすい
視点も高く、窓も非常に大きいスペースが取られていて、運転のしやすさという面ではミニバンの中でもトップクラスにいいなと感じました。私の近所でも、女性がセレナを運転しているところをよく見ますが、女性でも楽に運転できるんじゃないかなと思います。
夫婦両方ともが1つの車を運転するという場合には、セレナの購入を検討してみてもよいのではないでしょうか。
かなり軽いステアリング
ステアリングはめちゃくちゃ軽いです。個人的には軽すぎて嫌な感じでしたが、女性が運転する上ではこれくらい軽い方がよいのかもしれませんね。
それだけ女性が運転することを視野に入れて開発されているんだなということが伝わってきます。
気になる実燃費は
試乗では市街地を4,5km走って、かなりの渋滞に巻き込まれていましたが、その時の実燃費は19.2km/Lとなっていました。カタログ燃費は26.2km/Lとなっていますので、試乗の環境でこれだけの数値が出ればかなり優秀じゃないかなと思います。
ノート e-POWERは実燃費があまり良くないという噂を聞いていたので、セレナ e-POWERもそうなのかなと思っていましたが、セレナの方はあまり心配しなくてもよいのではないでしょうか。
走行性能採点
- 加速感 … 7.0/10点
- 乗り心地 … 7.0/10点
- 静粛性 … 7.5/10点
- 操舵性 … 7.5/10点
- 楽しさ … 7.0/10点
総合得点:72/100点
日産 セレナ e-POWER試乗レビューまとめ
良いところ
- e-POWER特有のブルーグリルが生える
- テールランプがLED
- 圧倒的室内の広さ
- 運転席周りのデザインは結構おしゃれ
- エンジンOFF, ONにかかわらず結構静か
- 発進時加速の重たさは感じない
- 乗り心地も割といい
- 視界が広く運転しやすい
- 実燃費がいい
不満なところ
- エンジンOFFの時にもっと静かなのを期待してしまっていた
- 欲を言えばもう少し加速性能が欲しい
- 剛性感が物足りなく、コーナー若干不安定
- ステアリングが軽すぎる
日産 セレナ e-POWERの試乗レビューはいかがでしたでしょうか。
これまで多くのミニバンに試乗してきましたが、セレナは初めての試乗でした。e-POWERを搭載する車も初めてでしたが、ホンダのi-MMDと非常に似たシステムですが、全く違う印象を抱きましたね。ハイブリッドのミニバンを検討している方は、是非このセレナ e-POWERと、ホンダ ステップワゴンスパーダハイブリッドとを乗り比べてみて欲しいです。
また、モータージャーナリスト岡崎五郎さんによるレビュー「クルマでいこう」の考察も行なっています。こちらも合わせてご覧ください。
最後に筆者がどれくらい買いたいと思わされたか、星評価で表して終わりにしたいと思います。
買いたい度(5 / 10点)
★★★★★☆☆☆☆☆
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