どうも、自称試乗マニアのくるすぺです。
新型フィットとヤリスが登場し、国産コンパクトカー界がグッとレベルアップしました。
そして忘れてはいけないのが、一足先にビッグマイナーチェンジを迎えたMAZDA2の存在。
この記事では、「走り」のみに着目して、この3台を徹底的に比較していきたいと思います。
上記、着目するポイントにおいて、それぞれ10点満点で点数をつけ、合計得点が最も高い車を、一番走りがいい車として讃えたいと思います笑
内外装の質感、デザインや、使い勝手の良さよりも走りを最重視したいという方、是非チェックしていってください!
それぞれ、個別で試乗レポートも書いてますので、気になる車があれば個々の記事もチェックしてみてください!
⒈ 加速フィールで比較!
単純に速い、遅いだけでは評価できないのが加速フィール。滑らかさ、気持ちよさ、一体感といった部分を踏まえて評価してみてます。
ちなみに、試乗したことがあるパワートレインは、各車以下の通りです。乗ったことのあるパワートレインのみで評価しますのでご了承ください。
- フィット:e:HEV
- ヤリス:1.5ガソリン、HYBRID
- MAZDA2:1.5ガソリン
また、スペックだけを見てパワートルク(ウェイトレシオ)を、S~Gでランク付けする独自の採点評価なんかもしてます。こちらも興味あればチェックしてみてください。
扱いやすさはNo.1【フィット e:HEV】
フィットのe:HEVは2モーター式のハイブリッドシステム。1.5Lのエンジンは、基本的にはモーター発電のみで使われます。
アクセルペダルの踏み込みに対する加速はリニアで滑らか。踏んだら踏んだだけ加速していくので、運転が苦手な方でも非常に扱いやすいパワートレインだと思います。
扱いやすさでは、コンパクトカー界No.1と言っても過言ではないでしょう。
ただ、パワフルな感じを期待していると、期待外れ感を感じてしまうかも。
あくまで「心地よさ」を徹底しているチューニング。スペックほどの爆発力はそこまで感じられません。
もう少し軽快感がプラスされると、魅力度が倍増するんじゃないかなと思ってます。良いんだけど、良さが伝わりづらい感じ、そんな雰囲気を抱きました。
評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
パワフルさはe:HEV以上?【ヤリス HYBRID】
ヤリスのe:HEVは2モーターですが、ヤリスのハイブリッドは1モーター式、普通のハイブリッドです。
しかし、ヤリス用に新設計されたものになっていて、その実力は相当のもの。
個人的には、e:HEVよりも軽やかで伸びやかな印象がありました。パワーとトルクのバランスが良く、中速域、高速域でも気持ちいい伸び感を体感できると思います。
ただ、踏み込み量に対する一体感や加速の滑らかさはe:HEVに軍配が上がるかなと。
モーター感満載で、ハイブリッドのグイグイ伸びる感じが好きな方にはヤリスがオススメです。
評価:★★★★★★★★☆☆(8点)
Direct-Shift CVTに難あり?【ヤリス 1.5ガソリン】
個人的に、ハイブリッドよりも注目していたのが、新開発された直列3気筒の1.5Lガソリンエンジンを搭載するモデルでした。
Direct-Shift CVTと呼ばれる、発進ギアを採用したCVTとの組み合わせ。これが、個人的には少し期待外れでした。
気になる部分は、停止状態からの発進加速。アクセルペダルの踏み込み量に対して、過剰にトルクが出る感じ。
発進加速が滑らかに決まらないのです。相当ペダル操作に気を使えば問題ないんでしょうが、そんな運転は楽しくないんですよね。。
発進した後の加速フィールは伸びやかで、エンジンフィールも音は大きいものの気持ち良さはあったので、発進時のギクシャク感だけが惜しい。
ガソリンモデルならMTが選べますが、MTとの相性はとても良さそうでした。
評価:★★★★★★☆☆☆☆(6点)
低排気量最強NAエンジン【MAZDA2 15S】
MAZDA2の1.5Lガソリンエンジンモデル。これは最高に良い!
MAZDA3にも採用されている1.5Lガソリンエンジンですが、このエンジンの軽快さ、そして、エンジンフィールの質感の高さは凄まじいものがあります。
個人的には、低排気量NAエンジンの中で、最も上質感を感じることができるエンジンだなと。
MAZDA2はMAZDA3に比べて300kgほど軽いので、力不足感は一切感じることもまずありません。
更に良いのがペダルの剛性感。ヤリスもフィットもペダル剛性は悪くないですが、MAZDA2が最もがっしりして一番一体感を感じることができるかなと感じました。
6ATを搭載していて、ちゃんとしたマニュアルモードを楽しめるというのも大きな武器です。(MTモデルも存在してます。)
普通のガソリンエンジンでしょ?と乗らずに決めてしまうのは本当に勿体無いエンジンです。是非ご体感あれ。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
2. ハンドリングで比較!
個人的にBセグメントコンパクトカーで一番重視しているのがハンドリングです。
短いホイールベースを生かし、軽快で気持ちいいハンドリングが実現できているか否か。運転の楽しさに直結する重要な要素です。
安いからコンパクトカーを選ぶ時代は終わってる、楽しいからBセグを選ぶんだ!
扱いやすさはNo.1(2度目)【フィット】
e:HEVの加速フィール同様に、ハンドリングに関しても、とにかく扱いやすいを徹底しているのがフィット。
軽すぎず、重すぎず、適度にステアフィールを感じることができるステアリング。
ステアリングの切り出しに対する応答性も悪くなく、とにかく運転がしやすい車に仕上がっています。
しかし、「これはすごい!気持ちいい!」みたいな大きな感動がないというのも事実。
個人的に思うことは、全体的に軽快感が足りてないんじゃないかなというところ。Bセグメントならではの良さ、みたいなところが薄い感じがします。
少しの改良でかなり良くなる予感もあるんですよね〜。フィット君には一番伸び代を感じています。
評価:★★★★★★★☆☆☆(7点)
軽快感はあるけど応答性が、、【ヤリス】
ステアリングの見た目の話になりますが、他の車よりも少し径が小さいステアリングを搭載しているように思います。
私自身、プジョーという小径ステアリングを搭載するメーカーの車に乗っていますので、この小径ステアリングの搭載にはかなり期待していました。が、しかし。
ちょっと期待外れというか、ヤリスの見た目、ステアリングのスポーティな雰囲気とはちょっとイメージがずれてるハンドリング感があるなと感じてます。
一番気になるポイントは、操舵応答性の部分。ステアリングを切り出してから、一歩遅れて車が曲がりだす感じ。試乗中、終始気になるポイントでした。
特に、レーンチェンジなど細かい動きに対する追従性に難ありです。普通に街乗りで運転している分には大きく気になることはないかもしれませんが、もう1ランク上の価値観を提供して欲しかった。
ハンドリングに関してはフィットの方が全体的によく出来ていると思います。
評価:★★★★★★☆☆☆☆(6点)
癖が強いが面白い【MAZDA2】
この3車のなかで、最もBセグメントらしくスポーティに曲がれる車はMAZDA2だと思います。
ずっしりと反力が強く、少し癖の強いステアリングになっていますが、ステアフィールをしっかり感じ取ることができますし、操舵応答性も良く、とにかく曲がるのが楽しいです。
G-ベクタリングコントロールも進化した「Plus」が採用されています。「Plus」か「Plusじゃない」かで、想像以上に大きな違いが出てくるんですよね〜。
「Plus」が採用されていればハンドリングは間違いないと思ってもらっていいです。それくらい買ってます。
ただ、街中を左折するだけで気持ちいい。そんな風に感じることができたのはMAZDA2だけでした。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
3. 乗り心地で比較!
乗り心地がいい=楽しい、という単純なものではないですが、不快な要素を減らすことで楽しい運転に集中できるという面では、間接的に楽しさに繋がってくると思ってます。
ショックがマイルドでも、ボディがゆらゆら揺さぶられていてはもちろんダメ。
ボディー剛性の高さ、路面との接地感の高さ、足のしなやかさとフラット感。こういった部分のバランスの高さを評価していきます。
予想に反する硬い乗り味【フィット】
可愛らしい外観からはイメージがつきにくい、硬い脚に仕上がっているのがフィット。
これくらい硬い方が安心感があって好きっていう人も少なくはないのかなという風にも思いますが、個人的にはちょっとゴツゴツしすぎている感があるかなと。
ほんの少し荒れた路面でも、リア側がゴトゴトばたつくのをしっかりと感じ取れてしまいます。
ここまで「心地良さ」というところに徹底してこだわってきてたのですが、肝心の乗り心地が少し方向性が違う感じ。これは先代からプラットフォームを流用していることが響いているのかもしれませんね。ボディ剛性を脚の硬さで補っているような感じ。
新型フィットを作り上げる際、フランス車であるシトロエンC3の乗り心地を参考にしてきたという話ですが、ちょっと違う方向に仕上がってしまった感が否めません。
評価:★★★★★★★☆☆☆(7点)
流石TNGA!トーションで十分【ヤリス】
トヨタは、Bセグメントコンパクトカークラス用のグローバルプラットフォームGA-Bを開発し、ヤリスに初めて搭載してきました。
ハンドリングの部分では少し残念なところもあったのですが、乗り心地の面ではTNGAの採用がかなり効果を生んでいると思います。
とにかく脚がしなやかに動く。TNGAによりボディ剛性が格段に上がっているので、足回りもしなやかにすることができたのでしょう。
また、私が試乗したのはFFモデルであったため、リアサスにはトーションビームが採用されています。
これが4WDモデルになると、なんとダブルウィッシュボーンが採用されるということ。これはBセグメントクラスでは異例の搭載だと思います。
しかし、トーションビームでも非常に気持ちいいので、無理して4WD選ぶ必要はないのかなというのが個人的な見解。ただ、ダブルウィッシュボーンになったらどうなるんだろうというワクワクもあります。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
フランス車乗りもびっくり【MAZDA2】
MAZDA2の走りの完成度の高さには相当驚かされてきたのですが、乗り心地の面で最も驚かされました。
ヤリスも良いですが、MAZDA2の乗り心地も負けず劣らず良いです。
しなやかでしっとりした乗り味は、フランス車のそれを感じるほど絶品。熟成感が非常によく出た乗り味に仕上がっています。
個人的にはMAZDA3よりも上質さを感じるかも?とまで思うほど、相当レベルが高いです。
接地感も高く、ロードインフォもしっかりと感じられます。後で語りますが、ロードノイズの静音性はヤリスと比べると格段に良いので、相乗効果でより乗り心地が良く感じるというのもあるかも。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
4. 静粛性で比較!
最後は静粛性。個人的には大きく重視しているポイントではありませんが、静粛性の高い車、入ってくる音が気持ちいい車は、それだけで1ランク上の上質感を感じ取れることができるものです。
音を無にすることは不可能ですが、気持ちいい音にすることは可能。そういった面で評価していきます。
音の小ささはNo.1では?【フィット】
e:HEVモデルは、基本モーター走行になりエンジン音が聞こえてこない場面が多いので、ベースがかなり静かです。これは大きなアドバンテージ。
ただ、エンジン音が聞こえない分、ロードノイズや風切り音がかなり気になってしまう車も少なくはありません。
しかし、フィットは外の音に対する遮音性も非常にしっかりしています。エンジン音が聞こえなくて目立つはずのロードノイズも、最低限まで小さく抑えることができていました。
ロードノイズは、フィルタを通して変換されたような少し変わった音として室内に入ってくるので、これが気になる人は気になるのかも。私は全く気になりませんでしたが。
また、エンジンがかかっても、エンジンが唸ってうるさいというような場面も全くありませんでした。高速域では結構高回転まで回りそうなので、どうかな?と思うところはありますが、街乗りにおいては最も静かな車と言ってもいいんじゃないかなと思ってます。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
風切り音が想像以上に〇〇【ヤリス】
一方、ヤリスの静音性は予想外の結果に。
正直、かなりうるさいです。静粛性にあまり拘りがない私でも、これはちょっとキツイかなと思わされてしまったほど。
まず、エンジン音ですが、エンジン音も割と大きな音が入ってきてしまいますが、エンジン音もまあまあ気持ちいいし、ここの大きさはそれほど気になってません。
気になるポイントは、「ロードノイズ」と「風切り音」です。特に速度が60km/hくらいまで乗った際の風切り音は相当気になるものでした。
窓が空いてるんじゃないかと思って確かめたほど。隣の営業さんの声も聞き取りづらい環境でした。
乗り心地が良い分、ここは非常に残念なポイントです。試乗の際は、意識してチェックしてみてください。
評価:★★★★★☆☆☆☆☆(5点)
音の「質感」が高い【MAZDA2】
デミオからMAZDA2になるビッグマイナーチェンジの際、大きな静粛性の強化も図ってきたのがMAZDA2.
他の2台のようなハイブリッドシステムは持ち合わせてませんが、エンジン音、ロードノイズといった部分に対する遮音性は非常に高いものを持ち合わせています。
単純に音を小さくする、というところよりも、気持ちいい音だけを室内に入れてきてくれる、というのがMAZDA2のすごいところかなと。MAZDA3の良くなったところを、すぐさまMAZDA2にもフィードバックできている面、さすがMAZDAだなと感じます。
特に気持ちいいのがエンジンフィール。MAZDA3の15Sに乗ったとき、こんな気持ちいいいエンジンフィールを1.5LのNAエンジンが出せるんかとびっくらこいたのですが、MAZDA3同等とまではいかないものの、それと近い気持ちいい音だけを室内に入れてきてくれる感じを、MAZDA2でも感じることができます。
単純な音の小ささならフィットの方が小さいのかな?という気もしますが、音の上質感はピカイチ。1クラス上の上質感を手に入れています。
評価:★★★★★★★★★☆(9点)
総合評価 「一番気持ちよく走れる車は!?」
ということで、それぞれ点数を出してみましたので、合計得点を見てみましょう。ヤリス君は点数の高いハイブリッドで評価します。
フィット | ヤリス | MAZDA2 | |
---|---|---|---|
加速感 | 8点 | 8点 | 9点 |
ハンドリング | 7点 | 6点 | 9点 |
乗り心地 | 7点 | 9点 | 9点 |
静粛性 | 9点 | 5点 | 9点 |
合計 | 31点 | 28点 | 36点 |
ということで、くるすぺが選ぶ、最も気持ちよく楽しく走れるコンパクトカーは、MAZDA2ということになりました!(というか、全項目で1位になってしまいました。)
自分自身、改めて比較して考えてみた結果、やはりMAZDA2の動的質感の高さは素晴らしいものがあるなと感じてます。
デザイン面、機能面においては、新発売のフィットやヤリスに魅力的な部分も多いですが、走りの面ではMAZDA2、相当頑張っていると思いますので、コンパクトカーを検討している方、是非一度MAZDA2も試乗してみてほしいなと思います!
マツダユーザーでも何でもない私がお届けしました笑。 参考になれば幸いです。
最後に各車の試乗レポートリンクを改めてご紹介させていただきます。より詳細に描画していますので、気になる車があればチェックしてみてください。
13年、2代続けてwベリーサに乗っております
プジョー乗りさんからの見たマツダがこれほど評価が高いとは。
音についてもうんうん、頷きながら読み進めました。
旧式のMZR1.5もいいエンジンです。設計が古くて燃費悪いので現代の最新のエンジンからすると見劣りするかもしれませんが
音もこのころからよかったのかな。
マツダ3も出始めの頃はパワーの小ささを指摘され、あまり相手にされませんでしたが、市場レビューが一巡したころに
これは屋根付きFF4枚ドアのロードスター。とにかく楽しい。そういったレビューが聞かれ始めました。
デミオ改めマツダ2の1.5ガソリンもまた同じでFF4枚ドアのロードスターなのかもしれませんね。
次のクルマはマツダ2、1.5ガソリンになる可能性がさらに高まりました。
コメントありがとうございます!
2代続けてベリーサとは!私もベリーサに乗ってましたが、可愛くて大好きな車です。
是非とも復活して欲しいなと思います。
この1.5Lガソリンエンジンと、静粛性・音質にこだわったボディが上手いこと組み合わさって、素晴らしいエンジンフィールが手に入ってるような印象です。
国産コンパクトカーにおいては、個人的にダントツでMAZDA2の走りが好きです。
ちなみにプジョーからは最近208というコンパクトカーが出てきましたが、かなり楽しい車に仕上がってると思います。(まだ乗れてませんが。。)
コメ返ありがとうございます。
カーグラフィックTVでみましたよ
新型のデビルマンw
松任谷さんはプジョーが戻ってきたと感慨深げでした。
本の方のカーグラフィックにも取り上げられてます。カーグラフィックのスタッフがこれ程までに
フィットを持ち上げるのかよくわかりません。
私の評価としては管理人さんくらいの点数だと思うんですけどね。
ヤリスのボディはヤバいです。
なんなんだろ、あのガッチリ感は。
そんなになった経験ないですけど
自分的にあのボディはベストトヨタと言っても良いのでは?
それくらい感心しました。
遮音は価格なり、ハンドリングはパーキングスピードでのアシスト量が多すぎ。
サスペンションはかなりいい。
エンジンはやっぱり三気筒。
流れに乗って走る分には全然気になりませんが
踏み込むと雑味のある音で官能的とは程遠いかな。
一番悪いのはCVTである事。
パワーに余裕がないにもかかわらず隙あらば回転を思い切り下げてくるくせに、少しでも負荷がかかるといきなりドーンとギア比を下げてエンジンが吠える。速度管理がものすごくやりにくかったです。
自然吸気ガソリン車とCVTは相性悪いと思います。
自然吸気エンジンの最大トルクは4000回転半ば辺り。なのに100Km/h巡航で1500rpm辺り。追い越しで踏み込んでもガー言うばっかりでパワーが乗ってこない。ダウンサイジングターボであれば500rpm程踏み増しすれば(ディーゼルもかな)最大トルク域に入るし。
自然吸気ならステップATの方が合ってると思います。
コメ欄汚し失礼してます。