どうも、自称試乗マニアのくるすぺです。
日産から久々の新型車が登場しました〜。その名もキックス(KICKS)。
発売日よりも前に試乗させていただくことができました。本記事では動的質感の部分を中心に試乗レポートをお届けして参ります!
新型車と言っても、海外では2016年から売られていたモデルなんですよね〜。。ただ、導入されたのはe-POWERを搭載しブラッシュアップされたキックス。
正直、動的質感に対してあまり期待はしていませんでしたが、その評価はいかに!?
快く試乗、撮影をさせていただいた日産プリンス金沢 野々市店様、ありがとうございました。
キックス 〜試乗マニアによる試乗インプレッション〜
- グレード・価格・スペックなどの基本的な情報について(簡単に)
- 静的質感について(簡単に)
- 動的質感について(メイン)
- 5つのポイントで動的質感の採点評価
こんな流れで話していきます。写真もたくさん紹介しますが、本記事では動的質感をメインに語っていきます。
キックスの基本情報を紹介
試乗インプレを語り出す前に、まずはキックスの基本的な情報について簡単にお伝えしていきます。
本ブログ独自の採点方式を利用したパワートレイン評価(S~Gで評価)もここで紹介します!
グレード展開・価格
- X:276万円(FF)
- X ツートンインテリアエディション:287万円(FF)←試乗したグレード
少しお高いかな〜という印象もありましたが、e-POWERを搭載し、プロパイロットも標準装備されていることを考えると、こんなもんかなとも思います。
SUVでありながらFFモデルしか存在しませんのでご注意ください。
グレード展開はシンプルで好印象です。(いろいろ調べなくて済むしw)
ツートンインテリアエディション特有の装備は下記の通り。差額は11万円なのでお買い得なグレードなんじゃないかなと思います。
- オレンジアクセントのツートンインテリア
- Xはブラックのモノトーン
- フル合皮のシート
- Xは合皮とファブリックのコンビシート
- シートヒーター
- ステアリングヒーター
- 寒冷地仕様(ヒーター付きドアミラー)
渋滞追従ACC、レーントレース機能といったプロパイロットが標準装備されるという点は大きな魅力であり武器であると思います。オートハイビーム機能も搭載しているし踏み間違え防止アシストも備わってます。
ブラインドスポットモニターが搭載されていないのは少し残念ですが、先進安全装備面ではクラストップレベルと言っていいでしょう。
スペック ~くるすぺ独自のパワートレイン評価~
基本スペック | ||
---|---|---|
サイズ | 4,290 x 1,760 x 1,610 | |
重量 | 1,350kg | |
エンジン | 1.2L直列3気筒ガソリン + モーター | |
ミッション | ー | |
最高出力 | 129PS | |
最大トルク | 260Nm | |
燃費・燃料 | 21.6km/L・レギュラー(WLTCモード) | |
駆動方式 | FF | |
サス(前) | マクファーソンストラット式 | |
サス(後) | トーションビーム式 | |
パワートレイン別情報 | ||
e-POWER | 価格帯 | |
276〜287万円 | ||
独自の採点方式による評価 | ||
パワー | トルク | |
C- 62.0点 |
B+ 79.2点 |
パワートレイン評価は中々良いです!やはりトルクの厚さが魅力的。街乗りでかなり扱いやすいタイプの評点となりました。
キックスの内外装について少し語る
撮影してきた内外装の写真を、一言コメントを添えながらご紹介します。
エクステリア
存在感抜群のダブルVモーショングリルを採用。Vモーションいつまで続けるんだろうと思ってましたが、以前に比べれば馴染んだデザインが出来てきているように感じます。
ヘッドライトはしっかりLEDを採用。ヘッドライトの下には、ブーメランシグネチャーと呼ぶブーメランのような形をしたメッキラインが施されています。
顔にクセはないので万人受けしそうですが、個人的にはデザインにもう少し先進感が欲しいなと思うところ。新型ジュークくらいの思い切りあるデザインの日産車を早く目にしたいです。
でも、e-POWER特有の青いメッキは使わないようにしてくれたので良かった。
全長は4,290mm。伸びやかなフォルムではありませんが、サイドバンパーに斜めに迫り上がるシルバー加飾を入れたり、斜めに迫り上がるキャラクターライン上にメッキのドアハンドルを配置したりすることで、前傾姿勢感がよく表せていると思います。
リアサイドウィンドウは直線的な処理を施し、ツートンカラーの境目も直線的に表現。
力強く入る直線的なキャラクターラインと合わせて、中々魅力的なデザインだなと感じますが、ここまで直線的に表現するならフェンダーアーチモールも角ばったようなデザインにしても面白かったんじゃないかなと。
ルーフレールは結構幅が広いです。繋ぎ目のゴムが見えないように処理されているのはGOOD。
リアから見るツートンカラーの境目が良い感じです。ハッチガラスの形状をうまく生かしてます。
ちなみにオレンジ以外にも、赤、グレー、白の3色でブラックルーフとのツートンカラーを選択可能。
リアバンパーはボディ同色。個人的には普通にブラックでも良かったんじゃないかなと思ってしまいます。少しのっぺりしたお尻だなという印象が先立ってしまう感じ。
テールランプもLEDになっていて、「ブーメラン・シグネチャー」状に点灯します。
このブーメランは推していっても良いかなと思います。ヘッドライトのデイライトに採用したら個性ある顔になってくると思います。
インテリア
ツートンインテリアエディションというグレードでは、オレンジの合皮を大胆に使用してます。ちょっと色合いが安っぽい感じもするな〜という印象でしたが、車内が明るい雰囲気になるのは良いですね。
それにしても、もう少しダッシュボード形状とか工夫が欲しかったです。三菱車と同じく、どこか古臭い印象が拭えません。
ナビは9インチのものが搭載されてました。すごい綺麗に埋め込まれているので、もしかしたら標準装備なのか!と期待してしまいましたが、普通にディーラーオプションでした。。
9インチナビの価格は25万円と中々の高額。。13万円で7インチを選ぶことも一応できます。
9インチディスプレイをディスプレイオーディオとして標準装備し、オプション選ばなくてもCarPlayは使うことができる、みたいな売り方をして欲しかったな〜と思います。ルノーとかそうやってるし、普通に真似して欲しい。
ディスプレイ込みでこの価格なら結構良い感じじゃないかなと思います。
シフトノブはe-POWER車特有のもの。普通に使いやすいです。
写真に写ってないですが、手前側に電子パーキングブレーキとオートブレーキホールドのボタンも用意されています。
ドアトリムやダッシュボード上部はハードプラ素材。ちょっとチープさが出てしまっています。
シートは、ツートンインテリアエディションではフル合皮シートが採用。シートヒーターも標準装備されています。
座り心地は可もなく不可もなく。
2列目の居住空間は結構厳し目。膝前空間も狭いですが、それ以上に気になったのが背もたれの角度。
直角なんじゃないかと思うくらい角度がついていて、お世辞にも居心地がいい空間ではありませんでした。
背中にあたるオレンジと黒の境目の段差も違和感感じて気になりました。うまくフィットしません。
膝前空間はこんなもん。ちょっと狭いです。(身長170cmのドラポジに合わせた場合)
後席空間の確保という点では、ロッキーが一枚二枚上手だなと感じます。キックスより全長短いのにもっと広々してるし、リクライニングも付いてるしね。
キックスのラゲッジ容量は424Lと中々健闘しています。奥行きはそこまでないけど、高さは十分。
モーター分の出っ張りは気になりますね笑
キックスの動的質感について熱く語る
素人目線ではありますが、乗ってきて感じたことを、自信を持って!素直に!正直に!お伝えしていきます!
e-POWERめっちゃ良いぞ
e-POWERはセレナ以来2回目の体験です。セレナは車重が重すぎたこともあって、e-POWERにはあんまり良い印象持ってなかったんですよね。非力でエンジン唸るな〜という印象ばかりが頭に残ってました。
しかし、キックスのe-POWER、これはかなり評価できるパワートレインだなと感じました!車重とのバランスがとても良いと思います。
260Nmをゼロから発揮できる低速トルクの太さはやはり非常に魅力的。
爆発的な発進加速があるという感じではありませんでしたが、必要十分以上の発進力を見せてくれます。
個人的に、最も気に入った部分は、加速力そのものでは無く、非常にスムーズでリニアな加速をしてくれるところ。アクセルペダル剛性はそこまである感じではありませんでしたが、アクセルの踏み込みに対して、とてつもなく素直に、滑らかに立ち上がってくれます。この滑らかさは病みつきになってしまうかもしれません。
ここまで滑らかな加速フィールを体感したのは、インサイトの1.5L i-MMD以来かも。(今はe:HEVという名前になりましたね。)
e:HEVかe-POWERなら、e:HEVでしょ、なんて勝手に思っていた自分がいましたが、これは甲乙付け難い。「街乗り」での扱いやすさという部分においては、完璧に近い加速フィールを手にしていると思います。
これが高速域でどうなるのかな〜というのは気になるところではあります。今回の試乗では、エンジンが唸る場面に遭遇できなかったのですが、発電用にエンジンが回ったときのノイズ感がどうか、そして、エンジン直結ができないe-POWERでの高速での力強さはどうなのか。
しかし、ブレーキフィールも中々良かったですし、ワンペダル走行も慣れたら楽なのかなーとか思いました。
オートブレーキホールドも付いてますしね。
e-POWER未体験の方は、是非この機会にキックスに試乗してみて欲しいなと思います。食わず嫌いはダメだなと改めて感じました笑
意外な剛性感を持つ独特な乗り味
キックスという車、e-POWERの良さにも驚かされましたが、乗り心地という部分に関してもいろんな意味で驚かされました。
試乗する前の印象としては、RVRのようなゆったりとしたコンフォートライドを押し出す感じかな〜なんて思っていたのですが、想像とは逆で結構スポーティな味付けに仕上がっています。(そもそも、RVRはマルチリンクで、キックスはトーションビームなので、目指している方向は言わずもがな違うところなんでしょうが。)
キックスの脚は、ハードかソフトかどちら?と問われたらハード寄り。ただ、硬すぎて不快感が出ちゃうようなレベルではなく、良い塩梅で脚が固められているなという雰囲気がありました。
少し荒れた路面では、リアが左右にバタバタと傾く挙動を見せ、やや気になるところではありましたが、そのネガティブ要素よりも、思いの外剛性高いなというポジティブな印象が大きかったです。
ボディがしっかりしているのか、グワングワンと揺さぶられず、すぐにシャキッと姿勢を戻してくれるんですよね〜。結構不思議な乗り味をしています。
CX-30、ヴェゼル、C-HRといった強力なライバルたちと比べると、決して分かりやすい乗り心地の良さを手にしている訳ではありませんが、キックスの乗り味も中々面白くて個人的には好きです。(万人受けはしなさそうですが)
高速域での直進安定性にも期待ができそうだなと感じてます。もしかしたら、高速域での直進安定性はライバル車を凌ぐモノを持っているんじゃないか、そう思わされる特徴的な乗り味でございました。
心地良さよりもスポーティさが売りなのか?
乗り終わってから感じたことなんですが、着座位置がSUVにしては低いなと思います。この低さは個人的には魅力的なポイント。
先日ハリアーに試乗した際には、乗ってすぐに「わー視点が高い。」という感情が湧き出たんですが、キックスに乗り込んだ際にはその感情が全く無かったです。背が相当低いワゴン(508SW)に乗り慣れている私にも、キックスの着座位置、視界はかなり自然に感じます。
着座位置が低く、足回りもしっかりしているので、コーナリング時の安定感は想像していたよりもかなり良かったです。少し速度が出ている状態での左折でも、綺麗に身をこなしてくれて、膨らむ事なく思い通りに曲がってくれます。最小回転半径5.1mという小回りの良さも魅力的ですね。
試乗し終わった後に知ったのですが、キックスには「インテリジェント トレースコントロール」と呼ばれる、コーナリング時に状況に応じて4輪それぞれにブレーキ制御を行い車両の挙動を滑らかにする先進機能が搭載されています。この効果がしっかり出ていたのかな〜。
ステアリング自体は結構軽めですが、適度に反力がありスカスカするような感じはありません。嫌な野暮ったさもないし、中々気持ちのいいステアフィールを提供してくれています。
ステア操作に対する車の動きも直感的かつリニアで、反応速度も適切。なんだか私が勝手に走りの期待値を下げて乗ってしまっていましたが、普通に気持ちいいですし面白い。
乗り心地のしっとり感よりも、ハンドリング、コーナリングの楽しさというところに少し重きを置いた車なのかな〜と思いました。まあ、それほど尖ってどちらかに偏っている訳でもありませんが、キックス君は意外なスポーティさを秘めている車だったのです。
見た目の雰囲気と走りのギャップがある車ってなんか良いですよね笑 自分だけがこの子のこと分かってるんだ的な。
そういう変わった喜びを感じれる車でもあるのかなと思います。
静粛性も高く大きな欠点は無いが…
乗り込む際に、ペナンと閉まるフロントドアの剛性感の低さには少し萎えましたが、心配していた静粛性はかなり高いレベルにあると感じました。
e-POWERであることも大きな利点ですが、外の音に対する遮音性も、意外と言ってはなんですがしっかりしてます。かなり前にリーフに乗らせてもらったことがありますが、それよりも音の部分に関しては心地良さを感じました。
また、7万円のメーカーオプションである「アラウンドビューモニター+デジタルルームミラー」が装備されていましたので、駐車も楽チンです。7万円で付けられるなら、是非選んでおきたい装備かなと感じました。
それでいて、電子パーキングブレーキもオートブレーキホールドも標準装備されているし、ツートンインテリアエディションであればシートヒーターやステアリングヒーターも標準装備されてくる。
そして、プロパイロットも標準装備。
e-POWERとこの装備の充実度を考えると、決して高くはない価格で、装備面だけで車を見ればコスパは結構高い車なのかもしれません。
ただ、それ以外のところでもっとワクワクさせてくれるような訴求が欲しかったなというのが正直なところ。
今の時代、SUVは特に魅力的な車が溢れてしまっています。そんな中で、静的質感では中々勝負が難しいとなると、動的質感における特徴をもっと前面に押し出して欲しかったなと思います。
全体的にうまくまとめられているんだけど、味は全体的に薄くて平坦。
これが良いんだと思う方もおられると思いますが、やっぱり濃いおかずと一緒に食べるご飯が美味いと思う。(何の話?
ジュークを日本で出して、ガチで勝負しにきて欲しい。キックスの走りの水準の高さを体感したことで、その気持ちがより一層強くなりました。
キックスの動的質感評価まとめ
試乗レポートのまとめとして、5つのポイントで採点評価をさせていただきます。参考程度にお受け取りください。価格帯やボディタイプを考慮した採点になっています。
- 加速感 … 8.0/10点 A
- 乗り心地 … 7.5/10点 B+
- 静粛性 … 7.5/10点 B+
- 操舵性 … 7.5/10点 B+
- 楽しさ … 7.0/10点 B
総合得点:75/100点 B+
最後に 〜その他オススメの車を紹介〜
最後に、キックスに興味があるあなたにオススメしたい車を2台紹介させていただきます。こちらの試乗記も是非合わせてご覧になってみてください。
また、コンパクトSUVオススメ集なんて記事も書いてます。他にも魅力的な小型SUVがそろってますので、是非チェックしてみてください!
三菱 エクリプスクロス
エクリプスクロスにはハイブリッドモデルはありませんが、ディーゼルがあります!
内装はキックス同様に古臭さを感じるところもありますが、エクステリアデザインは今もなお色褪せない色気を持っていると思います。走りのレベルも相当高い!
ダイハツ ロッキー
ひとまわりボディサイズは小さくなりますが、CセグメントSUVを凌ぐ後席の居住空間を持っています。
ハイブリッドモデルはありませんが、1.0Lターボは力強く、走りも満足度が高いものに仕上がってます。価格をもう少し下げたいなという方にはオススメ。
その他にも色々な車の試乗レビュー記事を書いています。他の試乗レビュー記事も是非チェックしてくださいね!