どうも、自称試乗マニアのくるすぺです。
今回は、2020年2月にフルモデルチェンジを迎えた、新型アコードに試乗させていただきました。
試乗車が全く無く乗れてなかったんですが、これ発売直後に乗れていたら、もしかしたらアコードを購入してしまっていたかもしれません笑
それほど、私が最重視する動的質感に優れた気持ちいい車でした!
私自身、プジョー508SWというワゴン車に乗っています。
動的質感には絶対的な自信がある508ですが、それと比べてもアコードは凄かった!!!
是非最後までお楽しみください!
お世話になったのは、Honda Cars 石川 金沢古府店です。N-BOX購入時からずっとお世話になっています。
お近くの方は是非いらしてみてください。展示車や試乗車の充実度は県内No.1かと思います。
アコード 〜試乗マニアによる試乗インプレッション〜
- グレード・価格・スペックなどの基本的な情報について(簡単に)
- 静的質感について(簡単に)
- 動的質感について(メイン)
- 5つのポイントで動的質感の採点評価
こんな流れで話していきます。写真もたくさん紹介しますが、本記事では動的質感をメインに語っていきます。
アコードの基本情報を紹介
試乗インプレを語り出す前に、まずはハリアーの基本的な情報について簡単にお伝えしていきます。
本ブログ独自の採点方式を利用したパワートレイン評価(S~Gで評価)もここで紹介します!
グレード展開・価格
- EX:465万円(FF)
アコードのグレードはワングレード展開で、パワートレインはe:HEVのハイブリッドのみです。海外では2Lターボと10ATを組み合わせるパワートレインも展開されているのですが、是非これも国内で展開して欲しかった。。
価格はなかなかの高額ですが、ナビやETCは標準装備されています。
先進安全装備ももちろん充実していて、渋滞追従ACC、レーントレース、ブラインドスポットモニターと主要装備は標準装備されています。
惜しいのは、ヘッドライトがオートハイビーム止まりなところくらいかな。ちなみに508もオートハイビーム止まりで、価格もGT Lineで473万円とアコードとほとんど変わりません。
スペック ~くるすぺ独自のパワートレイン評価~
基本スペック | ||
---|---|---|
サイズ | 4,900 x 1,860 x 1,450 | |
重量 | 1,560kg | |
エンジン | 2.0L直列4気筒ガソリンNA + モーター | |
ミッション | CVT | |
最高出力 | 215PS(システム総合) | |
最大トルク | 175Nm(エンジン) 315Nm(モーター) | |
燃費・燃料 | 22.8km/L・レギュラー(WLTCモード) | |
駆動方式 | FF | |
サス(前) | マクファーソンストラット式 | |
サス(後) | マルチリンク式 | |
パワートレイン別情報 | ||
e:HEV | 価格帯 | |
465万円 | ||
独自の採点方式による評価 | ||
パワー | トルク | |
A 82.8点 |
A+ 88.9点 |
パワートレイン評価は抜群です!さすがe:HEV。
というか、ハイブリッドモデルで1560kgに抑えられているのはすごい。508セダンのガソリンモデルでも1510kgほどありますので、かなり優秀だと思います。
アコードの内外装について少し語る
撮影してきた内外装の写真を、一言コメントを添えながらご紹介します。
エクステリア
まずは真正面。
シビックやインサイトと共通のコンセプトデザインが施されたフロントフェイス。正直かなり好きです。
かっこいいし、変に気取った感じもないのが好き。
メッキの使い方も上品です。
デイライトは少しわかりづらいかもしれませんが、下側がライン状に光る感じ。
サイドビューはクーペスタイルを採用。伸びやかで非常に美しいです。
バンパー部のメッキラインが非常に特徴的です。上質感がうまく演出されていると思います。
4900mという長い全長は個人的に少しネックではありますが、先代モデルよりも短くしてきてくれたことは評価したいです。
FFではありますが、ノーズが長く、フロントオーバーハングも割と短く抑えられている感じありました。
リアから見る佇まいも存在感抜群。
欲を言えば、テールランプ形状はもう少し先進的なデザインを取って欲しかったなと思ったりします。
テールランプでさらに残念なポイントが、ウィンカーがLEDではなく豆球であるということ。。。
インテリア
まずは運転席ドアトリムから。
内装色はブラックとアイボリーが選べますが、試乗車はアイボリーでした。ドアトリムにもふんだんにアイボリーのソフトパッドが使用されてます。
ドア下スピーカーにメッキモールを施しているのはGOOD。ただツイーターデザインは寂しい感じしますね。
508ではFOCALのHi-Fiサウンドシステムが採用されていますが、アコードも拘った音響システムを搭載して欲しかったなーと少し感じてしまいます。(少しだけ音楽聞かせてもらいましたが、臨場感では508の方が圧倒的に上)
運転席周り全貌はこんな感じ。素材一つ一つの質感は申し分なく、高級感はしっかり感じられるんですが、デザインの古臭さが少し気になっちゃいます。
ダッシュボード周りの形状だったり、センターディスプレイ周りのデザインだったり。少し色気が足りない気がする。
前述したとおり、ナビは標準装備。8インチを採用しています。
しかし、後から取って付けた感が強いのが残念。標準装備にするなら、ディスプレイがうまく調和するようなインテリアにして欲しい。
エアコン周りも先進感は無いです。アナログなので使い勝手は問題ないでしょうが、価格を考えると少し寂しい。
液晶パネルの文字が凄い薄いのも気になりましたw
シフトノブレスのセンターコンソール。ドライブセレクターはボタン式です。
個人的にはシフトノブがあって欲しいと思いますが、これによりすっきりとしたコンソールが実現できていて、ドリンクホルダーを左側に寄せても使い勝手に影響出ないようにできているのは良いなと思います。
奥にはワイヤレス充電スペースやUSB接続箇所があります。蓋があり、配線類を隠すことができるのも個人的には嬉しいポイントです。
続いて後席も見ていきましょう。ドアトリムの質感は前席同等で良いです。
あとで写真でも紹介しますが、サンシェードが搭載されているのも嬉しい。5008には付いてたけど508にはついてない装備です。
後席空間はかなり広いです。全長が長いこともあるかと思いますが、508と比べてもかなり広いかなと。
膝前何個分でしょうか??w 4.5個分くらいありそうですね。めちゃくちゃ広いです。
後席用エアコンももちろん装備されていて、USBポートも2口あります。
トランクルームは高さは流石に低いものの、奥行きがかなりあり、573Lという素晴らしい容量を誇ります。
ハイブリッドモデルでこの容量を実現できているのは凄い。さすがホンダさんです。
ちなみにこのようにトランクスルー機構も備わってます。
アコードの動的質感について熱く語る
素人目線ではありますが、乗ってきて感じたことを、自信を持って!素直に!正直に!お伝えしていきます!
全体評価としては、驚くほど良かったです。是非とも1人でも多くの方に一度載っていただきたいなと心から思ってます。
滑らかで力強い加速フィール
i-MMDあらため、e:HEV(イーエイチイーブイ)をパワートレインとするアコード。
オデッセイやステップワゴンと同じく、2.0Lガソリンエンジンと2モーターという組み合わせですが、コレ、ものすごく良くなってると思います。
非常にパワフルな加速フィールをもたらしてくれるので、私の中でも評価の高いパワートレインだったわけですが、今まで乗ってきた2.0L版e:HEVは、やや滑らかさに欠けるなという印象がありました。
2.0L版e:HEVの後に、インサイトやフィットに搭載されている1.5L版のe:HEVが出てきたのですが、これがすごい滑らかな加速フィールなんですよ。
2.0L版と比べるとパワフル感は薄れますが、非常に扱いやすく気持ちいい加速フィールをもたらしてくれるので、個人的には2.0L版よりも1.5L版の方に魅力を感じちゃってました。
はい、ここまでが前置きです。
で、今回アコードの2.0L e:HEVに乗ってみた感想を端的に伝えると、
「2.0L版ならではのパワフル感に加えて、1.5L版の驚異的な滑らかさが加わった!」
です。
アクセルペダルの踏み込みに対して、加速度の上昇具合がとにかくリニアで滑らかです。そして、1.5L版には無いパワフル感が備わっている。
これぞ、鬼に金棒ってやつじゃないでしょうか。
車両の重さを感じるような場面には、まず遭遇しないだろうと思います。余裕を感じる加速フィールを楽しめるのも魅力の1つですね。
また、e:HEVは、エンジンは発電用モーターの駆動のために回り、発電用モーターが駆動して得られた電力を走行用モーターに供給して走る仕組みです。(高速域ではエンジン直結にもなる。)
今まで乗ってきた i-MMDモデルでは、こういう仕組みであるがために、エンジンの回転感と実際の加速感に乖離が発生し違和感を感じることがありました。
しかし、今回のアコードの試乗の際には全く違和感を感じなかったんですよね。エンジン回転数と加速フィールがうまいことマッチしている感じ。
この点も高く評価したいポイントです。
更にそれに加えてエンジンフィールに関しても、他モデルとは一線を画する質感を手にしていました。エンジンフィールに関しては、別途改めて語ります。
ブレーキフィールに関しても、癖があるような感じもなく扱いやすかったです。回生ブレーキも自然で良いですね。
更に、ステアリングには回生ブレーキの強さを切り替えることができる「減速セレクター」が標準装備されています。好みやシーンに応じて4段階で切り替えができるというのも嬉しいですね。
驚くべきエンジンフィールの質感の高さ
期待以上の加速フィールの良さを見せつけてくれましたが、それを助長しているのが質感の高いエンジンフィールです。
先にも述べましたが、エンジン回転数の上がり方と加速フィールの一致度が高いというのが、以前と比べてかなり良いなと感じた部分。
そして、そのエンジンフィールがかなり上質で静かになっているというのが、私にとってはビッグサプライズでございました。
アクセルペダルをぐっと強く踏み込んで力強い加速を要求すると、発電のためにエンジンがグーンと回ります。
ステップワゴンやオデッセイに乗った際には、このエンジン音の高鳴りが大きく雑味があるもので、邪魔だとしか感じなかったのですが、アコードの場合はその逆。
ガンガン回しても、室内に入ってくるエンジン音はかなり小さく抑えられていて、かつ、ノイジーな部分がきれいに落とされているのです。エンジン音に対するフィルタが2枚、3枚分厚く貼られているような感じ。
私の愛車、508SWの1.6Lガソリンターボエンジンが奏でる音色の綺麗さ、気持ちよさも一級品だと思っていますが、それに勝るとも劣らないエンジンフィールがこのアコードにはあると思ってます。
「モーターのみで静かに走っているよりも、エンジンを回して心地よい音を聞きたくなってしまう。」
このように感じることができたのは、私にとってはとても大きな意味を持ちます。
インサイトも愛車候補になるほど好きな車だったわけですが、ワインディングでガンガン楽しめるイメージができなかったのが正直なところ。(クルマでいこう!のワインディングでのエンジンの唸り具合を聞いて)
しかし、このアコードであれば、エンジンがどんだけ唸っても、耳に入ってくる音は気持ちいい。ワインディングで気持ちよく走れる姿が容易に想像できてしまうのです。
ちなみに、エンジン音以外への遮音性も非常に高く、静粛性は抜群に高いです。エンジン音の遮音性は、愛車508SWと同等レベルかなと思いますが、ロードノイズや風切り音に対する遮音性は、アコードが一枚上手ではないかなと感じました。
車両のノイズに対して逆位相の音を出力し、ノイズを打ち消す「アクティブノイズコントロール」という技術が採用されている他、ホイールには消音機能を備えた「ノイズリデューシングアルミホイール」を採用するなど、静粛性へのこだわりを強く感じます。そして、それがしっかり効果を実感できるものになっています。
こういう技術的要素をしっかりとカタログでアピールしてくれるところはホンダの好きなところ。プラシーボ効果というわけではありませんが、こういう装備が付いてると認識するだけでも良い効果生むと思ってます。
タイヤにBRIDGESTONEのREGNOを採用したことも、ロードノイズの小ささに貢献してそうだなと感じてます。
フラット感MAXの乗り心地
508オーナーとして、アコードの走りの中で最も気になっていたのが「乗り心地」という部分。
というのも、アコードには、508と同じく電子制御ダンパーが採用されているから。
カタログによると、「4つの車輪毎の回転速度や、車両挙動をリアルタイムに検知し、減衰力を動的に切り替える」とありますので、508のように路面状況の検知は行ってはいないようですが、プジョーと比べてホンダの電子制御ダンパーの実力はどれほどのものなのか、すごく気になってました。
更に、走行モードに「COMFORT」「NORMAL」「SPORT」が用意され、それぞれに応じて減衰力可変範囲が変わるというのも508と同じ。
加えて、タイヤサイズも235/45R18で同じで、ホイールベースも近いので、意識せずにはいられません。
正直、愛車508SWの乗り味は絶品です。これ以上の乗り心地を期待するのは酷なことだなと思ってました。
しかし、乗ってみてビックリ。恐ろしいほど乗り心地が良いのです。
エンジンフィールの良さにもかなり驚かされた訳ですが、乗り心地の良さに対する驚きはそれ以上。
この衝撃は、初めて508に乗らせてもらった時の衝撃以上のものかもしれません。
乗り心地の上質感は、正直、508より上だと感じます。
508と比べて棘がなくまろやかさに溢れていて、上質感、高級感ある乗り味を求めるのであればアコードでしょう。
高速での試乗はできてないので、あくまで街乗りレベルだけでの印象ですが、車体の姿勢のブレの少なさもアコードが1枚上手だなと感じました。
でこぼこした道を走っても、大きな段差を乗り越えても、姿勢が全くブレないんです。ここまでフラットな姿勢を維持してくれる車は、これまで体験したことないかもしれません。
それでいて、硬さを全く感じさせない”しなやかさ”を持ち合わせている。
路面からの衝撃をめちゃくちゃマイルドにいなしているのに、フワフワ感が全く無い。電子制御ダンパーの実力が相当のものであるということと、ボディ剛性が非常に高いレベルにあるということが、この異次元の乗り心地を実現しているのでしょう。
しかし、単純に508 < アコードの構図にはならないかなと思ってます。どちらも違った良さがあるので単純比較は難しいです。
それぞれの乗り味の違いを表現するとこんな感じかなと。
508にはガソリンモデルとディーゼルモデルが存在しますが、ディーゼルモデルの方がアコードの乗り味に近いですね。それでもアコードの方がコンフォート寄りの乗り心地になっていると思いますが。
一度、うちの508SWにもREGNOを履かせて比較してみたいなと思ってしまいました笑
(508はミシュラン パイロットスポーツ4を履いてます。タイヤの差無しで比較してみたい!)
そうそう、タイヤなんですが、実は海外ではオールシーズンタイヤを装着しているらしいです。
国内仕様では、より剛性の高いタイヤであるREGNOを採用し、それによりサスペンションを海外版よりもマイルドな設定に変更したということ。
また、走行モードも3種試させていただきましたが、モードによる足回りの変化は508と比べると薄いかなという印象でした。
しかし、SPORTモードのセッティングは絶妙です。
508の場合は少し引き締まり過ぎて、街乗りでは使いづらい感じなんですが、アコードのSPORTモードは街乗りでも積極的に使いたくなると思います。508のNORMALとSPORTの間くらいの引き締まり感が出る感じでした。
良い重みを感じるハンドリング
最後はハンドリング、コーナリングについてですが、これもまた良いんだ。
正直、動的質感に関しては非の打ち所が無いです。
ステアリングは中立付近でかなりどっしりしていて、ググッとしっかりとした重みを感じるステアリング。直進安定性にもかなり期待できそうです。
かと言って、野暮ったい感じも無く、ステアリングを切り出してから素早くスムーズに曲がってくれる感じ。良い車に乗ってる感覚に浸れます。
ただ、鼻先は少し重たいかなーと感じる場面も。コーナーでの軽快感はやはり508の方があるなという印象です。
しかし、それ以上にステアリング操作に対する車の挙動のスムーズさが光ります。
全長4900mmとかなり長い車ではあるのですが、本当に扱いやすくて意のままに操れる感覚を走り出してすぐに感じ取ることができました。
着座位置もかなり低めにできます。508の着座位置も低く、スポーティな雰囲気を楽しめますが、アコードも508と同等レベルの視点で運転することができました。
着座位置が低いと見切りの悪さも気になる方もいるかもしれませんが、Aピラーもスリムですし、ピラー位置を後方に置くなど工夫されていて、斜め前の視界性能も悪くありません。
とにかく色んなことがしっかりと考えられている車だなと感じます。
アコードの動的質感評価まとめ
試乗レポートのまとめとして、5つのポイントで採点評価をさせていただきます。参考程度にお受け取りください。価格帯やボディタイプを考慮した採点になっています。
- 加速感 … 8.5/10点 A+
- 乗り心地 … 10/10点 SS
- 静粛性 … 9.5/10点 S+
- 操舵性 … 8.0/10点 A
- 楽しさ … 8.0/10点 A
総合得点:88/100点 A+
最後に 〜その他オススメの車を紹介〜
いや〜とにかくめちゃくちゃ良かった。試乗車は少ないと思いますが、是非一度試乗していただきたい車となりました。
最後に、アコードに興味があるあなたにオススメしたい車を2台紹介させていただきます。こちらの試乗記も是非合わせてご覧になってみてください。
また、本当に乗り心地がいい車特集記事なんかも書いてます。後日アコードも入れてあげたいと思います〜。
プジョー 508
アコードを考えている方は、是非508と乗り比べしてみてもらいたいです。
ホンダ インサイト
全長は4700mmを切っていて、扱いやすいサイズになっているのがインサイトの魅力。
アコードほどの動的質感にはありませんが、静的質感も高く満足度の高い1台に仕上がっていると思います。
その他にも色々な車の試乗レビュー記事を書いています。他の試乗レビュー記事も是非チェックしてくださいね!